夜の富士山山頂の人たち
投稿日
2018/07/15
2018年7月14日、富士山に登りました。
午前11時15分に御殿場口新五合目から出発して、山頂まで行って、富士宮コースから下山しました。
18時間歩き続けるという長い登山になりました。
昨日と今日、富士山に登ってきました。
山頂には21時42分に到着しました。
御殿場口から登って、山頂に到着して、富士宮口の山頂を探しました。
すると一人の若者を見かけました。
「すみません、富士宮口からの降り口ってどこですかね?」
「ああ、あそこですよ」
と、教えてくれました。
私は重ねて尋ねました。
「山小屋かなにかのスタッフの方ですか?」
「いえ、違います」
とだけ返事が返ってきました。
多くを語らない感じでした。
そのあたりを見てみると、山頂の山小屋である頂上富士館がありました。
しかしもう営業時間は終了して、消灯しているみたいで、休業中の山小屋のように、ひっそりと静まり返っていました。
隅の方にはテントが立てられていました。
その横に、誰か座っているように見えました。
「こんばんは」と声をかけてみましたが、返事はありませんでした。
私はとりあえずそのあたりを軽く眺めたあと、さっそく下山を開始しました。
すると下から男性二人が登ってきました。
21時50分に山頂に到着しようとしています。
しかし山小屋はもう閉まってる。
???
山頂は、風がすごく強くて、非常に寒いです。
とても長くいれるような場所ではありません。
その二人に対しても、「こんばんは」と声をかけました。
その二人と通り過ぎた後、若い男性が一人、座り込んでいる姿を目撃しました。
そのとき私は派手に転倒しそうになり、「大丈夫ですか?」と声をかけてもらいました。
「大丈夫です。いやー、寒いですねー」
と、私は言いました。
この人はこんな寒いところで座り込んで何をしているのだろう。
声は元気な感じです。
話を聞くと、今回初めて富士山に来たらしいです。
朝から登り始めて、今ここにいるそうです。
普通の靴に普通の格好、登山する人の格好ではありません。
どうやらそこに座って朝を待つらしいです。
「寒さは平気なので」と、言ってました。
しかし山頂はとにかく風が強くて、寒くて、暗くて、とんでもなくひどいところです。
で、そのときまだ22時くらいだったので、日の出まで待つとなると、日の出が4時30分としたら、6時間30分も待たなければいけない。
で、その人は特に防寒着も持ってない。
これはどうなんでしょ。
5分間も座っていたくないような場所に座ってます。
はじめての富士山で朝から登り始めて夜に山頂に到着した。
どうも口ぶりを聞くと、山小屋の宿泊は予約をしていなくて、断られたみたいです。
それでこんなひどい場所で座っているっていうことです。
私が「この下って山小屋ありますよね」と訊くと、「ありますよ」とのこと。
そして、「山小屋泊まるんですか?予約してるんですか?」と訊かれたので、あ、この人もしかして、予約していなくて、宿泊断られたのではないか、と想像しました。
で、私は、「いやもう今日は富士宮の五合目まで降りてから、始発のバスを待って帰ります」と言いました。
実際私はこれから下山するとコースタイム通りだと、深夜の1時30分くらいには富士宮の五合目に到着できると思っていました。
で、車椅子用のトイレを失敬して、朝方まで時間をつぶそうと思っていました。
しかし実際は、登ってくる人が一万人くらいいて、なかなか下山できず、富士宮五合目に到着できたのは、5時くらいになってからでした。
そこでしばしのんびりして、レストランが6時から開店していたので、レストランでコーヒーを注文しました。
本当は何も注文しなくても、レストランの中にいても大丈夫な感じでした。
レストランというよりも、簡単なテーブルとイスの置かれた大きな食堂のような感じです。
そこで9時のバスが来るまで時間をつぶしていました。
山頂の話に戻ります。
山頂からの下山を22時くらいからはじめると、どんどん登ってくる人がいます。
22時台、23時台に、どんどん人が山頂に向かって登ってきます。
日の出狙いにしては早すぎます。
で、その人たちはどういうつもりで山頂に登っているのかわからず、とりあえず私は、「こんばんは」と元気よく声をかけたあと、「山頂めちゃくちゃ寒いっすよ。お気をつけください、はっはっは」と、言うことにしました。
すると、詳しい話を聞きたがる人もいたので、その場合は詳しい話をしました。
「山頂の頂上富士館、もう消灯してますよ」
「えー、そうなんですかー」
「もう私は寒いので下山することにしました、はっはっは」
「そうですか、わざわざありがとうございます」
と、いうようなやり取りになったりもしました。
0時台くらいまでに登ってくる人たちに対しては、私はさながら富士山のスタッフのような態度で、「上はめちゃくちゃ寒いっすからね、お気をつけください。はっはっは」と言い続けました。
そして詳しく話を聞きたがった人に対しては、詳しい話をお伝えしました。
その時間に登ってくる人たちは上級者であるよりもむしろ、富士山はじめてです、という人のほうが、多いような気がしたので、とりあえずそんな感じで、軽くお声がけしました。
年配の人がじわじわ登ってきたので、再びそれを言うと、その人は、「ふふふ」と笑って、「もう下山ですか?」と、逆に聞かれました。
その人はなんか上級者だったのかもしれません。
わかってて登ってきてる人と、何もわからず登ってきてる人と、二パターンの人がいるみたいです。
おそらく、そんなに早く山頂に到着して、山頂で日の出を待とうという人のほとんどは、富士山山頂の寒さと、風の強さなどを、甘く見てるような気もしました。
しかしそんな無謀な感じ登ってきてる人がたくさんいるにも関わらず、頂上富士館はぴったりと閉鎖されているのは、ちょっと冷たいなーとも思いました。
ただ、4時ごろになると山頂には人がたくさん集まるに違いないし、山小屋も開くと思うので、特に大きな問題は起こらないでしょう。
死ぬほど寒い思いをして数時間過ごすに違いありませんが、実際に死ぬことは無いと思います。
0時台、1時台に登ってきてる人たちは、わかってて登ってきてる人たちが多そうだったので、私のお声がけもそこでお仕舞いです。
あとは私も疲れているので、満足に挨拶もせずにせっせと下山を進めました。
挨拶をされた場合のみ、丁寧に挨拶を返すようにしました。