十二月で終わる
投稿日
2024/11/27
哀しいメールのやり取りがあった。
11月25日(月) 14:10
突然の連絡で恐縮なのですが、現在の業務委託契約を、今月末日(11/31)をもって解除させていただくのが、双方にとって良いのではないかと考えております。
11月25日(月) 14:19
引き継ぎ期間なのですが、今月末日(11/31)ですと、引き継ぎは、難しいだろうと考えております。(引き継ぎの量が多いため、今月末日(11/31)だと、期間が短すぎる)。12月末日までとした方が良いと思うのですが、いかがでしょうか?
11月25日(月) 15:48
確かに後一週間足らずで引継ぎというのは、難しいのかも知れませんね。それでは、12月末日までのご契約という事で、ご依頼させていただきます。
7月
8月
9月
10月
11月
と、働かせて頂いていた。まずはそれを感謝すべきだろう。
11月25日の14時に、11月末で終了のクビ宣告。残りたった4日でシステム保守開発の引き継ぎが完了できると考える、その圧倒的な非常識。
K社長は良い人だが、やはりシステム保守開発の仕事を全く理解していない。しかしすべてのことを自分で決めたがる、典型的なワンマン社長。
はっきり言ってしまうと、K社長は、エンジニアとの相性がすこぶる悪い。わからないことにもどんどん口出しして、強引に自分が仕切ろうとする。
その結果、こんなことになった。私はK社長の意向に逆らい過ぎた。
たびたび担当エンジニアが変わる職場である。
一時期はK社長のことを、とても有り難い方のように思った。自由な働き方で私に収入をもたらしてくれる、神様のようなお方だと思った。
しかしあまりにも駆け引きみたいなことが延々と続き、挙句の果てには、
「新しいエンジニアを入れるので、二人で協力してシステム保守開発をしてください」
と一方的に言ってきて、それは堪らないと思った。
K社長は新しいエンジニアを入れてシステムをスケールアップしたいと思ったようだが、エンジニア目線で見ると、それは圧倒的にムリだった。システムのスケールアップを実現するためには、システムの全体を見ることができる、リーダー的なエンジニアが必要であった。
しかしK社長は自分が理解できないことはして欲しくないという考え。常に自分がリーダーになろうとする。非エンジニアのK社長の主導でシステムのスケールアップをしようと目論んだようだが、エンジニア目線で見ると、それは圧倒的にムリであった。
やっぱりどうしても、K社長にはある程度引っ込んでいてもらわないと、システムの改善も、システムのスケールアップも、到底ムリなのである。
やっかいなメールのやり取りが延々と続いていた。難しい話が次々と飛び込んできた。その対応に四苦八苦で、システム保守開発の作業は二の次になってしまっていた。
いつ、どんな凄まじく面倒くさいメールが来るか、分からない。いつも、どんな恐ろしい内容のメールが来るかと、ビクビクしていた。
K社長に悪気はない。立派に会社を経営されて、立派な事業をされている、立派な方である。
しかし圧倒的にワンマン。
私が、K社長との直接のやり取りを断ってしまったのが、クビになった最大の理由。ワンマン社長に、
「あまり余計な口出しをしないでください」
と、きっぱり言い放ったようなものだ。
それであっさりクビ。
しかし私の考えでは、K社長は圧倒的にエンジニアとの相性が悪い。K社長はシステムをスケールアップして事業も拡大したいと思っているが、しかしおそらく、それは永久にムリ。
職場にエンジニアが居つかないのである。私の後任の、新しいエンジニアの方が入ってきたが、その方も半年以内に辞めるかもしれない。
私の前任のエンジニアの方も、突然音信不通になった。ずっとK社長の命令に従っていたが、最後には爆発して、感情的な長文メールを送りつけ、いきなり音信不通になった。とてもK社長の事業のことを親身に考えていた、良心的なエンジニアの方であった。
私にK社長のことを悪く言うような資格はない。約半年私に収入をもたらせてくれた、有り難いお方である。
担当エンジアは次々と変わっていくが、それがK社長のやり方とも言える。そのようにしながら、なんだかんだで、K社長は立派な事業を長年継続しているのである。K社長の判断は、K社長なりに、いつも的確なのだろう。
ただK社長ともう一人の社員の方は二人とも非エンジニアである。そのお二人の非エンジニアが面接して、新しいエンジニアを採用した。だからその新しいエンジニアの方は、もしかしたら、スキル不足の方なのかもしれない。そしてシステムは悪くなってしまうかもしれない。
その時にまたK社長から、
「またシステムを担当してもらえませんか?」
と、後日お声がかかるかもしれない。
K社長は少しフレンドリーすぎるが、口当たりは柔らかい方である。
いきなりクビにされ、まったく腹が立っていないと言ったら、嘘になる。私のエンジニアとしてのプライドとしては、後日そんな風に言われても、きっぱりと断ってしまいたい。
冗談じゃないぞと。いい加減にしろと。
しかし私はそんな身分ではない。後日、そんなことはあるまいとは思うが、もし万が一、
「また担当してもらえませんか?」
と依頼があった場合、務まる職場が少ない私なのだし、その時はまた、有り難く、前向きに検討させていただく事になるだろう。