私の家は東京都の福生市である。
そこから見える山で、とても目立つ山がある。
一つだけぴょこんと飛び出している。

あの山は一体なにか？

先日コンパスを持って外出して、方位を調べた。
そして家に帰ってきてグーグルマップで見てみた。
すると同じ方向に甲武信ヶ岳があったので、あああれは甲武信ヶ岳だったのか、と思った。
長年の疑問が解け、とてもすっきりした。

そして今日、再びその山を見てみる。

いや違う、ちょっと待て。

あれは、甲武信ヶ岳ではなく、大岳山なのではないか。

そんな風に思う。
なぜなら、かなり近くの山のように見えるからである。
すぐ行けそうな場所に見える。

甲武信ヶ岳はかなり遠い。
そもそもそんな遠くの山が、ここから見えるのか。

富士山は確かにちょくちょく見える。
しかし最近は見えない。
もしかしたら空気が澄んでいる冬の間だけしか見えないのかもしれない。

富士山が見えるのであれば、甲武信ヶ岳も見えるだろうと思ったし、そもそももしかしてあれは、槍ヶ岳なんじゃないの？とも思った。
ちょうど同じ方位に、北アルプスの槍ヶ岳もあるのだ。

でも槍ヶ岳がここから見えるものだろうか。
槍ヶ岳は甲武信ヶ岳よりも、さらに遠い。

でも槍ヶ岳はすごい目立つ山だというし、あれはもしかして、槍ヶ岳なのかも、とも思った。

そして今日、じっくり見てみると、やっぱり、かなり近い山のように見えるので、おそらくあれは、大岳山なのではないかと思っている。

ぴょこんと一つだけ飛び出している山。
とても目立つ山。

その横にも、ぴょこんと飛び出している山がある。
それは、高さは低めだ。

あれはことによると、御岳山なのかもしれない。
地図を見ると、御岳山の見えるべき場所に、その山はある。

いや大岳山はほんと、すごい目立つ山だと本に書いてあった。
で、その近所から見えるその山は、ほんと目立つ。

なんだ、あの山？
と、すごい気になる。

大岳山のことを憧れの山という人もいる。
とても目立つあの山に、いつか登ってみたいと思う。
そして実際に登ったときには、感激するという。

とうとうあの目立つ山に登ったのだという感激だ。

でも大岳山は登るのがそんなに大変な山ではない。
大したことのない山である。

しかし外から見ると、あんなに目立つ、存在感がある山だったのか。

近所から見えるあの目立つ山、おそらくあれは、甲武信ヶ岳でも槍ヶ岳でもなく、奥多摩の槍ヶ岳ともいうべき、大岳山に違いない。

おそらくそうだと思う。