登山といえば富士山!
投稿日
2018/06/07
こないだ面接に行ってきた。
履歴書の趣味の欄には、「映画、登山」と書いている。
面接官は私に尋ねた。
「一番好きな映画はなんですか?」
「ロッキーです」
「ああ、私もおんなじです。ロッキー好きです」
「そうですか!」
面接官は二人いて、もう一人の方がいう。
「古い映画が好きなんですね」
なにい!、ロッキーが古い映画、だと?
あなたはいくつだ?
32歳くらいの人なのか。
「ほかに好きな映画はないんですか、ロッキー以外には」
うーむ、たくさんありすぎて困る。
一体何を言えばいいのだろう。
いろいろと考えて、
「クエインタランティーノ監督の映画も好きです。パルプフィクションとか」と答える。
「そうですか。キルビルとかですか?」
「はい、そうですね!」と、答える。
しかしキルビルは面白いとは思うけど、特に好きというわけではない。
でも面白いは面白い。
映画の話はここでお仕舞い。
ここで問題の登山の話である。
「登山がお好きなんですか?」
「はいそうです。」
「どんな山に登りました。一番高い山だと。まあ聞いても分からないとは思いますが、はっはっは」
と、若い面接官は言う。
私は即座に答える。
「富士山!」
「最後まで登ったんですか?」
「はい、最後まで登りました」
「ほおー・・・」
富士山の名前を出せば、相手はぐうのネも出ない。
誰でも知ってる山、富士山。
そして日本で一番高い山。
でも本物の登山好きだったら、槍ヶ岳とか、剣岳とか、穂高岳とかに登ったというだろう。
しかし面接官は登山にはまったく詳しくないみたいなので、それらの名前を言っても、知らないと思う。
白馬岳とか、燕岳とか、八ヶ岳とか言っても、知らないだろう。
それで、「へー」と言われただけで、話は終わるだろう。
しかし富士山に登ったといえば、すごい!と思われる。
この人は日本一高い山に登ったんだ、すごいなーと思う。
でももし面接官が本物の登山好きであれば、「へー富士山ですか」と、言った後に、「穂高とかはどうですか?」と質問してくるだろう。
それに対して、「いえ、行ったことはありません」と答えれば、「じゃあ別にそれほど登山が好きなわけではないみたいですね、はっはっは。私は穂高が大好きで、もう何回も行ってますよ。はっはっは」と言われるに違いない。
続けて「立山とかどうですか?」と尋ねられ、「いや行ったことないんですよー」というと、「なんだ、全然初心者ですね。富士山だけなんですね、はっはっは」と言われ、バカにされるに違いない。
そういう人をぎゃふんと言わすためには、「いやー最近、穂高の屏風岩でクライングしてきましたよ。しかしあれですね、クライミングに比べたら穂高の登山道を歩くだけなんて、ピクニックみたいなもんですね、はっはっは」とでも放ってやれば、相手はしゅんとなるだろう。
まあ登山というものも、なかなか奥が深いものである。