武蔵御嶽神社のご祭神を考える
投稿日
2021/11/11
御岳山にある武蔵御嶽神社について考える。
武蔵御嶽神社のウィキペディアによると、武蔵御嶽神社のご祭神は以下の通りになっている。
蔵王権現
櫛真智命
大己貴命
少彦名命
安閑天皇
日本武尊
そこに「おいぬ様」として有名な、大口真神の名前はない。
ウィキペディアを見ると、「ご眷属の大口真神(おいぬ様)も祀っていることから、祈願のため犬を連れた参拝客が近年増えており、御岳山を登る御岳登山鉄道は、ケージを用いずに犬を乗車させることができる。」との文章が書かれている。
つまり、武蔵御嶽神社は、ご眷属の大口真神も祀っている、とのことである。
武蔵御嶽神社の境内には、大口真神社という神社もあります。
その神社では当然、大口真神を祀っています。
で、疑問が残るのは、その武蔵御嶽神社と、大口真神社の関係です。
武蔵御嶽神社と、大口真神社は、また別物であると考えます。
そして、武蔵御嶽神社でも、御眷属として、大口真神を祀っており、大口真神社でももちろん、大口真神を祀っている、という話だと思っています。
ではその「ご眷属」とは何か?
「眷属」のウィキペディアを見てみると、「眷属神」なる項目を見かけました。
そこには以下のように書かれています。
眷属神としての「眷属」は、本来、神の使者をいう。多くはその神と関連する動物(想像上の動物を含む)。動物の姿を持つ、又は動物にみえる、超自然的な存在を意味することもある。日本の神道における例としては、蛇や狐、龍など。神に代わって神の意志を伝えるなどする、神使とよばれる。神と同様に人間を越える力を持つため「眷属神」とされ、眷属神を祀る神社もある。
「眷属」という言葉の意味として、ウィキペディアの以下の文章があります。
眷属(けんぞく)は、眷愛隷属けんあいれいぞく、眷顧隷属けんこれいぞくの略。主に以下のものを指す。
親族、同族。
従者、配下、家子、所従等の隷属身分の者。
眷属神けんぞくしん(けんぞくしん)。
これを見ると、要するに、つまり、えーと、大口真神のポジションとしては、神の使い、というような位置付けの神様である、と考えることができます。
大体のイメージは理解しました。
大口真神は、日本武尊を助けたことで、神格化したようですし、まあ、おそらく、日本武尊が自分を助けた狼を、神にした、それが、大口真神である、という認識でも、大外れではないと思います。
おおむね、そんな感じなのではないかと思います。
しかし、その、日本武尊を助けた狼とやらは、至る所に出てきて、宝登山神社の山頂の奥の院でも、看板にそんなことが書いてあったし、今、ネット上でちらりと目にしましたが、三峯神社なんかも、全く同じ伝説があるようです。
つまり、日本武尊を助けた狼を祀っている。
では、三峯神社で祀られている狼も、大口真神なのか?
いや、三峯神社は、全く勝手が違います。
三峯神社のウィキペディアを見ても、大口真神という言葉は一つも出てきません。
いや、違う、三峯神社のウィキペディアの大口真神の名前、出てきました。
三峯神社の摂末社の一社である、御仮屋というところでは、大口真神が祀られているようです。
三峰神社のウィキペディアには、以下のように書かれています。
秩父神社・宝登山神社とともに秩父三社の一社。拝殿の手前には珍しい三ツ鳥居がある。狼を守護神とし、狛犬の代わりに神社各所に狼の像が鎮座している。
三峯神社は、狼を守護神としているようです。
で、三峯神社のご祭神には、なんとなんと、以下のように、意外な名前が出てきました。
主祭神
伊弉諾尊 (いざなぎのみこと)
伊弉册尊 (いざなみのみこと)
配祀神
造化三神 - 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産巣日神(たかみむすひのかみ)、神産巣日神(かみむすひのかみ)の総称
天照大神 (あまてらすおおかみ)
主祭神は、伊弉諾尊、伊弉册尊のようです。
これは驚いた。
ということは、三峯神社のご利益、バリバリ縁結びじゃないですか。
まさかまさかです。
伊弉諾尊、伊弉册尊のご利益が縁結びであることは、誰もが知っていることです。
いやこれははじめて知った。
伊弉諾尊、伊弉册尊のご利益、他のにもあるとは思いますが、私が知る限り、縁結びのご利益は確実にあったはずです。
いかんいかん、今回はちょっと、御岳山について調べてるつもりなのに、話が三峯神社に飛んでしまい、色々気になる点が出てきました。
まあ、いい。
三峯神社の話は、またの機会にします。
武蔵御嶽神社に戻ります。
武蔵御嶽神社って、ご祭神は、
蔵王権現
櫛真智命
大己貴命
少彦名命
安閑天皇
日本武尊
などと言われていますが、主祭神は、櫛真智命だそうですよ。
この櫛真智命は、占いとか、知恵とかの、神様らしいです。
でも良くわからない神様です、この櫛真智命という神様は。
あ、でも一応、櫛真智命のウィキペディアのページがありました。
櫛真智命(くしまちのみこと)は、中臣氏の祖神とされる太占を司る神。
とのこと。
よくわかりませんな、この説明読んでも。
日本神話には一切登場しないが、『延喜式』の神名帳に天香山坐櫛真命神社と見え、元の名が大麻等乃知神(おおまとのちのかみ)とされている。また、京中の左京二条坐神として太詔戸命神と共に久慈真智命神の名が見える。「郡」系図では天押雲命の父を櫛真智命としており、天児屋命の別名とする説がある。
との説明も書かれていますが、これもまた、さっぱり意味がわかりません。
うん、これはちょっとわからないですね。
まあとにかく、この、よくわからない神様が、実は武蔵御嶽神社の主祭神である、それがまずポイントです。
他の神様は、超絶有名ですよね。
蔵王権現
大己貴命
少彦名命
安閑天皇
日本武尊
大己貴命、少彦名命は色々なところに出てきます。
大己貴命は「ダイコクサマ」などとも呼ばれているようで、出雲神社なんかの祭神ですよね。
やっぱり、縁結びのご利益があります。
で、少彦名命が、大己貴命とコンビでよく出てきます。
なんでも、一寸法師のモデルになった神様らしいです。
まあ、日本武尊も良く出てきますよね。
あと、蔵王権現という神様は、相当すごい神様のようです。
そもそも武蔵御嶽神社って、大昔は、御嶽山蔵王大権現という名前の神社だったみたいです。
つまり、ばりばり蔵王権現、祀ってますね。
なら、どっから櫛真智命が出てきたのか、かなり謎です。
蔵王大権現について、以下のように説明しているページも見つけましたよ。
蔵王権現は日本独自の仏様で、奈良吉野の金峯山寺(蔵王堂)のご本尊として知られます。究極不滅の真理を体現し、あらゆるものを司る神仏とされ、釈迦如来・千手観音・弥勒菩薩の三尊の合体した仏様とされます。
これ、すごくないですか。
「釈迦如来・千手観音・弥勒菩薩の三尊の合体した仏様」だそうです。
これはすごい。
やっぱりかなりすごい神様です。
で、よくわかんないんですけど、この蔵王権現が、以下の神様に姿を変えたっぽいですね。
大己貴命(おおなむちのみこと) …縁結び・国造りの神。出雲大社の大国主命
少彦名命(すくなひこなのみこと)…医薬・知識・酒造の神。大国主命の国造りのペア神
日本武尊(やまとたけるのみこと)…西国・東国を平定した日本神話の英雄
つまりこの三柱の神様が、蔵王大権現が、変身した姿なわけで、つまりのこの三柱の神様が、「釈迦如来・千手観音・弥勒菩薩の三尊の合体した仏様」と、イコールとも言えます。
よくわからないですが、仏教の開祖である釈迦如来様が含まれてるって、かなりすごくないですか?
あと、この神様ですね。
・安閑天皇(あんかんてんのう) …蔵王権現と同一神格とされた第27代天皇
この人は、天皇様ということは、昔実在した人間みたいですね。
で、「蔵王権現と同一神格」というのは、どういう意味なのか。
よくわからないですが、まあ、蔵王権現と同じくらい、偉い神様である、という、そういうニュアンスの話だと思います。
この安閑天皇(あんかんてんのう)がちょっとあれですね。
ポイントですね。
安閑天皇(あんかんてんのう)については、またの機会に、じっくり調べてみようと思います。
あと、武蔵御嶽神社の主祭神である櫛真智命についても、もっとちゃんと調べないとダメですね。
なぜ、元々は蔵王大権現を祀っていた武蔵御嶽神社が、今はなぜ、櫛真智命が主祭神になっているのか。
それは謎です。
不思議です。
どこかのタイミングで当然出てきたっぽいですね、櫛真智命。
ちょっとくどいようですけど、武蔵御嶽神社は、元々は、蔵王権現を祀っていたので、だったら、現在は、蔵王権現が変身した姿である、大己貴命、少彦名命、日本武尊の三柱のみを祀ってないと、おかしくないですか?
そこでなぜ、安閑天皇が出てきたり、大口真神が出てきたり、極めつけは、櫛真智命が、主祭神という、ナンバーワンに躍り出たんですからね。
まあ、あとあれですね。
御岳山って、産安社もありますね。
そこのご祭神は、確か、女神ですね。
あと、御岳山の奥の院に、男具那社って神社もありますよね。
ここは、日本武尊を祀ってる神社のようです。