jRO報告書に見る登山の危険
投稿日
2021/12/03
先日、登山保険のjROから封書が届きました。
その封書の中に、2021年補てん金お支払い実績表というものが入っていました。
登山者が遭難したり、怪我をしたりして、それに対して、jROがお金を払った実績一覧というものです。
その内容を見ていきます。
死亡事故は以下の四件、確認できました。
北アルプス 槍ヶ岳
3人パーティで槍ヶ岳に登山中、飛騨乗越付近(標高3100m)で悪天候により道に迷い、滑落、死亡。
補てん金額:129,468円
北アルプス 槍ヶ岳
3人パーティで槍ヶ岳に登山中、飛騨乗越付近(標高3100m)で悪天候により低体温症で死亡。北アルプス南部地区遭対協が出動。
補てん金額:386,250円
北アルプス 奥穂高岳
※単独 奥穂高岳南陵を登攀中に滑落。他の登山者が警察に通報し、翌朝、警察ヘリにより発見、収容。その後、死亡が確認された。
補てん金額:335,280円
北アルプス 奥穂高岳
穂高岳からザイテングラードを下山中に滑落。岐阜県警警察官の通報により長野県警ヘリが救助。心肺停止状態で死亡が確認された。
補てん金額:100,000円
とのこと。
2021年1月から、8月までの、暫定値とのことです。
8月までの暫定値ということで、登山の遭難は、冬場が特に多いようなので、それ以降の事故もきっと多くなることでしょう。
冬は積雪期のため、遭難救助費用も高額になる傾向があるようです。
2020年補てん金お支払い実績表(確定)というものも同封されていたので、それも確認してみます。
2020年は、死亡事故は15件あったようです。
その死亡事故のうち、単独登山者による事故は、4件のようです。
2020年度の補てん金額合計は、15,461,722円となっております。
jROの会員数は、98,004名、とのこと。
その補てん金額合計を、会員数で割り、それが「事後分担金」として、会員に請求されるようです。
この場合ですと、事後分担金は、157.7円なので、200円ということになるのでしょう。
で、jROの会費が年間で2200円で、その事後分担金を加え、請求の合計金額は、2400円となるようです。
しかし、jROの売り上げとしては、会費と、事後分担金の端数となるとなると思うのですが、会費だけでも、2200円かける9万8000人の会員ということで、その売り上げは実に、二億千五百六十万円にも及ぶようです。
数字で売り上げを示すと、215,600,000円ということになります。
会員数が9万8000人ということで、たくさんの登山者がjROを利用していることがわかります。