登山サークル アウトドアチャイルド

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何を食べたいのか
投稿日
2022/08/08
あまり食べていないのに、体重が87キロから減らないでいる。
身長は177センチで、目標の体重は79キロである。
やはりもっと運動量を増やさなけば、体重を減らすことは難しいのかもしれない。
ダイエットスタート時の体重は、95キロであった。
そこから8キロ減量し、87キロという数値を叩き出した。
しかしそれ以上は、なかなか体重は減ってくれないのである。
大好きな獣肉を、最近は一切食わないで、我慢しているというのに、にもかかわらず、体重はなかなか減ってくれないのである。
特にこの、腹まわり。
そこは贅肉の宝庫である。
そこで贅肉たちが、連日享楽の宴を催している。
この人たちに、早々にお引き取り願わないことには、いつまで経っても、スリムという称号を勝ち取ることは、夢また夢、それはまさに、千年続く懸案事項。

マーマー、あけてー

と、幼い男児が叫んでいるこの場所は、青梅市にある、青梅駅の、ホーム。
ホームといっても、「家」のほうではなく、プラットフォーム。
やれやれ。
大きいほうの排泄衝動を、催してきた。
もしかして、大腸のほうに、三百キロクラスの、ドス黒い老廃物が、貯蔵されているのだろうか。
もしそうであれば、それを体外に放つことで、僕の体重は、さらに三百キロ減るという計算になる。
ということは、ことによると、僕の体重は、まだ数キロは減るだけの伸び代を、秘めているのかもしれんぞ。
とはいっても、僕は別に、生活のすべてを犠牲にして、ダイエットに励もうなどという、血迷った願望は、決して持ち合わせていないのだ。
ただ僕は、幸せになりたいだけなのだ。

一週間で、一万円。
それが僕の、経済力だ。
毎週月曜日に、ATMで、一万円をおろす。
それが僕の、最近の生活スタイルだ。
そしてほぼ毎日、青梅丘陵ハイキングコースで、ハイキングをしている。
ハイキング、ヤッホーだ。
バカの一つ覚えのように、青梅丘陵ハイキングコースだけで、ハイキングを、連日、執行している。
今日はまず、宮ノ平駅のトイレで、ビックなほうの、老廃物を、洋式便器の水溜まりに向かって、突き刺す、深々と。
そこから、今日のハイキングは、はじまる。

ノドかわいちゃた

階段から降りてきた女児が、母親にそう言って、母親に、顔を見上げた。
その女児は、階段から、麦茶を飲みながら登ってくる僕を、じっと見ていたのである。
僕があまりにも旨そうに、よく冷えた麦茶を飲んでいたものだから、それに触発され、女児も飲料を飲みたくなったのであろう。

ハイキングは終わった。
そして今、冷房のよくきいた電車の中の、優先席に、足を組んで座って、おいしいおいしい、麦茶を飲んでいる。
こう暑いと、熱中症になってしまいそうである。
そんな中、飲む麦茶は最高だ。
世界一旨い!
そう言ってしまっても、過言ではない。

これから真っ直ぐ、家に帰ることになるだろう。
そして、米を三合、まず炊こうと思う。
鶏卵が、三個ある。
サバの水煮の缶詰が、一つある。
トマトジュースも、残っている。
人参もある。
ロースハムもある。
ミックスジュースも、二本ある。
調味料は、味噌、醤油、マヨネーズ、ケチャップ、トンカツソースがあり、チューブは、わさび、からしと、あと一つ、ショウガかニンニクが、あったはず。
あと、お酢もあるし、片栗粉もある。
油系は、充実して、揃っている。
ナタネ油、エキストラバージンオリーブ油、ゴマ油の、ビック3が、揃っている。


家に帰ってきた。
郵便受けに、いくつか請求書が入っていて、げんなりしてしまう。
郵便受けの中に、何も入っていないと、ひどくほっとする。
郵便受けに入っているものが、迷惑チラシだけの場合でも、ひどくほっとする。
しかし、請求書は入っていた時には、背筋が凍る。
今、働いていないので、請求書というものは、本当に恐ろしい。
毎月の収入があれば、少々の請求書がきても、びくともしないが、働いていない日々が長く続くと、自分は働く能力がないのではないかと不安にもなり、その結果、請求書がくると、背筋が凍る。
まさに、背筋が南極大陸になる。

まあとにかく、家に帰ってきて、まずはメシだ。
メシ、メシ、メシ!
とばかりに、まずは炊飯器で米を三合、炊き始める。
そうしながらも、請求書で受けたショックを和らげるため、現実逃避として、読書をする。
ああ、金がなくても、生きていける世界に行きたい。
零円で、生きている世界に行きたい。
などと思いながら、現実逃避のため、怯える体にムチ打って、読書をする。
そうしながらも、まずはメシ。
メシ、メシ、メシ!
とばかりに、目をつけたのは、片栗粉である。
片栗粉が、残っている。
まずはそれを、片付ける。
片栗粉を、小型の鍋に、全部入れる。
その中に、水をたっぷり入れる。
そして、味噌を少し入れる。
そしてお玉で混ぜながら、火にかける。
すると、なんということか、鍋の中の水は、ドロドロになった。
こんなにドロドロになるとは、驚いた。
片栗粉って、こんなにふくらむのかと思って、驚いた。
これでもう、立派な一食だ。
食べてみる。
うん、味が薄い。
このドロドロ片栗粉水は、ちょうど、なんだろう、柔らかいモチみたいな感じになっている。
それを、器に入れる。
そしてその中に、醤油と、わさびをいれる。
そしてよく混ぜる。
それを、ソファーに座って、食べる。
まあ、美味しいものではないが、それなりに食えるし、それなりに、腹もふくらむ。
充分に、一食分の、満足感を得られる。

米三合も、炊き終わったが、ひとまず、ドロドロ片栗粉水で、腹は満たされたので、米のほうは、すぐには食べない。
しばし、読書をする。

そして次は、温泉卵を、作ってみる。
昨日、ユーチューブで、温泉卵の作り方を勉強した。
ざっくり言ってしまうと、たっぷりの水を沸騰させて、火を止める。
その火をとめたお湯の中に、冷蔵庫に入っていた鶏卵三つを、入れる。
そして、十二分たったら、それを取り出して、流水で、冷ます。
そして、キッチンペーパーで、水分を拭き取り、卵は、再び冷蔵庫に入れておく。

温泉卵が、成功したのか、失敗したのかは、それはわからない。
後で、食べてみる。

請求書で背筋が凍り、僕の顔は、心底辛そうな表情になってしまう。
元気はつらつでもなく、楽しげでもなく、楽勝気分でもなく、心底、人生が辛くて辛くてたまらない、とでもいうかのような、暗く、沈んだ、辛そうな顔を、我ながらしている。
こんなときには、何もしないほうがいい。
文章を公表したりなんかも、しないほうがいい。
そんなことすると、口は災いのもと、とばかりに、どんな災難が、さらにふってくるものやら、わかったものではない。
おそろしい、おそろしい。
請求書、地獄のように恐ろしい。
山の中に、逃げ込みたい。
そして、山の中で、住みたい。
そしてそこで天狗にあって、六道についての、話を聞きたい。
地獄道、餓鬼(がき)道、畜生(ちくしょう)道、阿修羅(あしゅら)道、人間(にんげん)道、天道の、六道である。
今、僕がいるのは、人間道である。
なぜなら僕は、人間だからだ。
六道の中では、かなり恵まれた世界である。
地獄道が最悪で、餓鬼道が常に飢えている世界で、畜生道は犬猫の世界で、修羅道は殺し合う世界で、そして人間道。
では天道とは、一体なんだろう。
天道では、零円で、生きていくことができるのか。
もしできるのであれば、天道に行きたい。
そのためには、どうすれば良いのか。
天道では、請求書は届かないのか。
請求書で背筋が凍るような苦労からは、逃れることが、できるのだろうか。
そのあたりについて、山の天狗に、聞いてみたい。
山の中に逃げ込み、夜、焚き火をしていると、鼻が長く、真っ赤な顔をしていて、一本下駄を履いていて、錫杖を持ち、羽団扇(はうちわ)を持ち、山伏の格好をしている。
山伏の格好とは、何かというと、頭襟(ときん)をかぶり、鈴懸(すずかけ)を着て、結衣袈裟(ゆいけさ)を肩からかけ、脚絆(きゃはん)をくるぶしに巻いているような、手甲(てっこう)をつけ、手首には最多高数珠(いらたかじゅず)をぶらさげた、そんなお姿だ。
この場合の天狗は、一般的な鼻が高くて、目がギョロっとしている、大天狗(鼻高天狗)のイメージだ。
鼻から口がカラスのクチバシのようになっている、小天狗(烏天狗)のイメージではない。
そういう天狗が、山の中で、隠れ潜み、焚き火をしていると、どこからともなく、現れて、そして、六道について、色々教えてくれるだろうという、話である。
その天狗は、天道に生きる者なのだろうか。
あるいは、六道を超越した世界で、生きている者なのだろうか。
そのあたりと、詳しく聞いてみたい。
そして僕が次は、六道の、どこに行けるのか、聞いてみたい。
希望としては、天道である。
犬猫ワールドの畜生道とか、他の道は、嫌である。
天道か、人間道、そこらへんを、希望する。

まあとにかく、それはいいとして、いや、よくはないが、まあいいとして、ひとまず、今日のメシについては、温泉卵を三つ作ったし、米も三合炊いてるし、ミックスジュースもたっぷりあるし、トマトジュースもあるし、ニンジンもあるし、サバの水煮缶もあるし、ロースハムもあるし、言うことない。
その上さらに、何かを買ってくる必要はないだろう。

今日のハイキングに関して、印象に残ったこと。
それは、セミの抜け殻をみつけたこと、くらいだろうか。
セミの抜け殻は、背中が細長く、割れていた。
そこからセミが、抜け出たのだろう。

セミの抜け殻は、食えるものなのか?
それがちょっと気になって、匂いをかごうとしたが、別に現状は、セミの抜け殻を食うつもりはないので、思い直し、セミの抜け殻を捨てた。
まあ、実際に、山奥で住むということになれば、山のものをなんでも食っていかなければ、お話にならない。
苔とかも、食えるっぽいし、水は渓流で飲めるし、ドングリ食ったり、あとは、木の実関係も、色々食えると思うし、あとは、樹木の蜜なんかも、舐めるといいし、虫なんかも、頑張れば、食えるようになるかもしれない。
ただ虫を食う場合は、おえっとなるに違いないので、できれば、こなごなに砕いて、そして、噛む必要がない状態にして、それを、水ごと、胃の中に、流し込んでしまえばいいと思う。
だいたい、アダムとイブに時代には、人間は、樹木になる、果物だけを、食っていたらしい。
樹木に、果物が、いくらでも実っていたので、完全無料で、果物食べ放題で、一円も使わずに、生きることができていたらしい。
で、苔なんかも、食えるらしくて、森のシカだったか、なんだったかは忘れたが、シカっぽい生き物なんて、冬の間は、苔を食って、命を繋いでいると、どこかで目にした覚えがある。
きっと、苔は、立派に食えるものだと思う。
まああとは、カエルとかも、食えるだろうし、ヘビなんかも、毒蛇だったとしても、毒のある、頭部を切断してしまえば、あとは全部、食えるのではないか。
山で食えれば、大したもの。
キノコなんかも、食えるキノコは、たくさんある。
まあ最悪、最後には、山の奥に入っていけば、完全無料で生き続ける道も、残されているということだ。
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