肉体
投稿日
2024/10/15
肉体があるがゆえに、肉体を維持するための休息欲、食欲。動物としての繁殖本能の性欲。
そしてカビだらけの掃除をしていない風呂場にはたくさんの生命がいるだろう。カビとか微生物とか、もしかしたら一億以上の生命がいるのではないか。部屋の中にも目に見えないほど小さい微生物とか、もしかしたら百万以上の生命がいるのではないか。この部屋の中に生命は自分一つであるという認識だが、例えばそこにクモが出てきたら、部屋の中の生命は二つという認識になる。しかし本当はこの部屋の中に生命は百万以上いるのかもしれない。
そして人間が清潔を好むのは、それもまた肉体の健康の維持のためかもしれない。不潔な場所では人間は病気になりやすく、清潔な場所では病気になりにくいだろう。だから人間は清潔を好むのではないか。
すべて肉体なのではないか。肉体がゆえにいろいろな欲望があるのではないか。
この醜くぶくぶくと太ってしまっている、この醜く腹の出てしまっている、脂肪のため白く見える、このぶくぶくと太った肉体。
この肉体を維持するために休息欲や食欲があり、この肉体の健康を守るために清潔を好んでいる。動物としての繁殖本能として性欲がある。
すべて肉体なのではないか。肉体以外の何者でもないのではないか。
もし人間の意識を持ったまま肉体から解き放たれた時、どんな気分だろう。つまり幽霊みたいになったとき、どんな気分だろう。すいすいと、どこにでも飛んでいける。もはや休息欲も食欲も性欲もない。神経質になることもない。すべてに対して傍観者である。すべての義務から解放される。もちろん納税の義務もない。法律にも縛られない。非難されることもない。批判されることもない。罪悪感に苦しめられたり良心の呵責に苦しめられたりもしない。すべてはもう他人事になる。もしそうなったらどんな気分だろう。掃除もしなくていい。片付けもしなくていい。すいすい飛んでいればいい。家に縛られる必要もない。行きたいところに自由に行けばいい。
すべては肉体のルールであり、すべては肉体の義務である。