2013-02-10
投稿日
2024/10/14
この夜、Hは、顎関節症のような症状の持病の改善を狙って、仰向けで寝てみていた。
いつもは、うつ伏せか横向きで寝ていた。
その方が体が楽であった。
でも顎関節症には、それは良くないように思われた。
ちゃんと仰向けで寝た方が、顎関節の位置も安定しやすいのではないかと思われた。
ちょうどそう、ヨガの「しかばねのポーズ」をイメージして、寝た。
ヨガの修行のつもりで、その体勢で寝続けていた。
彼は「楽な姿勢で眠りたい」という欲望に、見事、打ち勝った。
徹底的に、仰向けの体勢で寝ることを貫いた。
その結果、どうなったか?
腰や背中が、とても痛くなってしまった。
彼は腰痛持ちであった。
その腰痛がどうやら、仰向けポーズでの睡眠を、邪魔していたようであった。
腰痛を悪化させないように、腰に負担がかからないように、彼の体は、横向きやうつ伏せの体勢で寝ることを、彼に要求していたようだった。
そして彼は思った。
もしかしてこの顎関節症のような症状は、この腰痛と、連動しているのではないだろうか?
腰痛とは、本来治らないものである。
そして顎関節症も、基本的に治らないものだと言われている。
その二つの症状は、とても似ているように、彼には思われた。
つまりそう、顎関節症とは、「顔の腰痛」なのである。
まあとにかく、無理して仰向けで寝た場合は、腰や背中が痛くなるということは、よく分かった。
その痛みのため、この日はずいぶん早起きをした。
朝6時くらいには、腰や背中の痛みのために、完全に目が覚めていた。
彼はそこから、ストレッチをしたりマッサージをしたりして、なんとか腰や背中の痛みを取ろうとした。
ストレッチで一時的にそれらの痛みは治ったが、すぐにまた痛くなった。
仰向けで寝たことで、そのように痛い目に合ったHであるが、それでも頑張って仰向けで寝ることを続けることで、顎関節症の改善の可能性が、少しはあるのではないかと、彼は思った。
仰向けで寝ることを頑張って継続してゆくことで、もしかしたら腰痛も改善するのではないかと、彼は思った。
というわけでこの日、彼は本屋でヨガの本を買ってきた。
そして、「寝る時は、しかばねのポーズ」を、今後も続けてみようかと、彼は思った。