肉体は不思議
投稿日
2024/12/05
2024年12月4日。青梅丘陵を歩いていると、ごそごそと音がして、見てみるとそれは、まだ体の小さな子供のカモシカだった。カモシカは立ち止まり、ずっと私を見ていた。好奇心旺盛なのだろう。人の多い青梅丘陵で、カモシカの新しい生命が、今でも誕生し続けていることが驚きである。カモシカはよく二体一組で行動している。彼らが交尾して、カモシカの赤ちゃんを産むのだろう。そして子供カモシカが、単独で青梅丘陵の急斜面をウロウロする。カモシカは草を食う。神経の図太いカモシカは、ハイキングコースのど真ん中に立ったまま、私が近づいてもなかなか逃げずに、ムシャムシャと草を食べ続けたりする。肉体というのは不思議である。カモシカの屈強な肉体を作っているのは、草なのである。カモシカは野生のパワーを発揮するために、肉とか魚とか卵とかニンニクとかを食ってるわけではなく、ただの草を食っているくせに、そんなにパワフルに動ける。馬だってそうだ。ウサインボルトよりも早く走れるくせに、マイクタイソンよりも力強く動けるくせに、馬は基本、草とか人参とかリンゴとかを食っている。そんな草食でよくそんなパワーが出せるものだ。ユーチューブで観た人慣れた巨大なクマも、人からハチミツの塊を与えられ、美味しそうに食べていた。サーモン肉を与えられた時には、プイと顔を背け、それは食べなかった。クマはハチミツが大好きなのである。クマも基本、肉食ではない。ドングリとか木の実とかハチミツとかを食って生きている。それであんなに体がでかい。そしてあんなにパワフルである。肉とか魚とか卵とか食わなくても、あんなにパワフルである。