登山サークル アウトドアチャイルド

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鴨沢バス停での交流
投稿日
2018/02/19
前に奥多摩の鷹ノ巣山に登り、そこから七ツ石小屋まで来て、そこから鴨沢バス停まで下山したことがあります。

そしてこないだの日曜日は雲取山でテント泊をして、翌日には鴨沢バス停まで下山しました。

その鴨沢バス停では、毎回人が何人かいます。

コの字型の椅子のスペースがあって、そこに人が座っています。

私はなんとなく気を使うのがイヤなので、そこからは離れた場所でバスを待つことが多いです。

こないだの日曜日は、鴨沢バス停に降りてくると、人が一人いました。

その方は私を見て、満面の笑顔を浮かべました。

もう話す気満々って感じでした。

ちょうどバスの時刻表の前にその方は立ってました。

しかし私はちょっと、疲れてたし、気を使うのがイヤだったので、その満面の笑顔に背を向けて、知らんぷりして離れた場所に行きました。

そしてバスが来る10分前くらいにバスの停留所に戻ってきて、バスを待ちました。

そのときには、年配の男性も一人来ていました。

満面笑顔の男性と年配の男性は、楽しそうに雲取山話をしていました。

雲取山荘は山で遮られているため風が全然吹かないとか、奥多摩小屋のあたりはもろに風が吹くとか、奥多摩小屋が廃止になるらしいことが残念だとか話していました。

奥多摩小屋も後を継ぐ人がいれば存続するんだろうけど、もうオーナーも年取ったから閉めちゃうんだろうね。
とか、言っていました。

話を聞くと、その満面笑顔の男性は、奥多摩小屋でテント泊をしたそうです。

私と同じです。

そう言えば、朝テントを出た時に、テントの前で歯を磨いている男性を見かけました。

たぶんあの方だと思います。

なんと、あの満面笑顔の方はあの強風吹きすさぶ雲取山テント泊を共に体験した同志だったのでした。

じゃあ話をすれば、いろいろ楽しい話ができたかもしれない。

風すごかったですねーとか、めちゃくちゃ寒かったですねとか、なんかいろいろと楽しい苦労話ができたかもしれない。

しかし毎回鴨沢バス停の集いには、いつも背を向けてしまっています。

いや実は下山しているときは、「いやー山っていうのは人と人との助け合いの精神を育むよなー」とか、思ってました。

いざというときには助けてもらわなければいけないし、逆にこちらも助けなければいけません。

前から来る人たち、後ろから追い抜いていく人たち、そういう人たちのすべてが、いざというときには助けてもらわなければいけない人たちなのであって、逆にいざというときには助けてあげなければいけない人たちであるのだと、そんなことを思っていました。

だから行きかう人たちと、しっかりと挨拶しました。

いつもはろくすっぽ相手の顔を見ずに形だけ挨拶する私ですが、そんな心境になっていたので、しっかりと相手の顔を見て挨拶しました。

いざというときには助けてもらわなければいけない人たち、いざという時には助けてあげなければいけない人たち、そんなふうに思いながら、きちんと挨拶しながら歩きました。

山には助け合いの精神がある。

現代社会は、椅子取り合戦であったりとか、お金の奪い合いであったりとか、世知辛い話がたくさんあったりするわけですし、助けあいの精神なんかもあんまり無い気がします。

人の不幸なんか知らんぷりですし、基本人には無関心です。

そんな殺伐とした現代社会ですが、山にはまだ助け合いの精神が残っている。

まさに山というのは、最後に残された理想郷。助け合いの精神の生き残っている美しい文化。

そんなようなことを考えながら、にやにやしながら下山していました。

良いコミュニケーションをたくさんしよう!

そんな気分は全開です。

にもかかわらず、鴨沢バス停で満面の笑顔を向けられたとき、それとは正反対の行動を取ってしまいました。

知らんぷりして、離れたところに行きました。

なんかこー、見知らぬ人にいきなり愛想良くされると、拒否反応を起こしてしまいます。

向こうも警戒して、遠慮がちな感じで「あ、どうもー」とか言われて、とりあえず形だけ挨拶、という感じが理想です。

そうすると、ちょっとなんか話したいなとか、こっちから思ったりします。

しかしいきなり話す気満々な感じの方がいると、そこから逃げ出してしまいます。

そこはちょっと、どうなんだろうなーって感じです。

あとから来た年配の方は、普通に楽しく話をしていました。

まーそこらへんは、理想と現実ですねー

理想を言えば、助け合いの精神で、誰とでも楽しくコミュニケーションしましょう、それが山文化のいいところです、みたいに思うのですが、いざそういう交流の場に出てしまうと、なんかこう身構えてしまい、シャッターをピシャっとおろしてしまいます。

なんか見知らぬ人と仲良くなることが苦手です。

だいたいいつも、職場とかでも六か月くらいたたないと仲良くならないタイプです。

まあ登山サークルの進行をするときにはスイッチがオンになっている状態なので、フレンドリーな態度で人と接することができるんですけどね。

でも普段はスイッチがオフになっていて、基本人との交流は避けてる感じです。

電話とかにもあまり出ません。

いつも留守電を聞いてから必要であれば電話する感じです。

まーけっこう電話は苦手です。

コミュニケーションに積極的な人は、電話大好きな感じがするんですけど、私はけっこう電話は苦手なほうですね。

まあ仕事もプログラマーですからね。

営業マンとかだったらもっとコミュニケーションに積極的な人間になったかもしれません。

しかしまあ基本的にはあんまりムリをしないことにしています。

ムリしてコミュニケーションを取るよりも、自然体でいいのかなと思ったりします。

話したければ話すし、気が向かなければ話さない。

そんな感じでいいのかなと思います。
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