登山サークル アウトドアチャイルド

登山サークル アウトドアチャイルド

<<「高尾山(小仏城山コース...」
鷹ノ巣山の登山リポート
イベント名
鷹ノ巣山の登山
イベント日時
2017年8月14日(月)
報告者
MK
2017年8月14日、前に棒ノ折山に一緒に登った女性のTさんと、今度は鷹ノ巣山に登ってきました。
盆休みあたりにぜひまた登山しましょうと約束していたのですが、それが実現しました。
最初は川苔山に登ろうという話だったのですが、Tさんがぜひ鷹ノ巣山にチャレンジしてみたいとのことだったので、鷹ノ巣山に登ることになりました。

鷹ノ巣山、Tさんのお友だちが男性二人、女性一人で以前に登ろうと試みたらしいのですが、途中で断念して、引き返したそうです。
そしてそのお友だちは、「鷹ノ巣山すごく大変。絶対にやめといたほうがいいよ」と言っていたようです。
なんでも、お友だちは東日原のバス停から登りはじめ、メシクイノタワというようなところまで登ったらしいのですが、そこまで登るのに予想以上に時間がかかってしまったらしく、ゴールに到着するのが非常に遅くなってしまいそうだったので、登山は断念し、引き返したそうです。
その話を聞いたTさんは、ずっと鷹ノ巣山が気になっていたとのことでした。
そしてわたしは以前に鷹ノ巣山に登ったことがあり、それほどめちゃくちゃ大変だったという印象でもなかったので、「大丈夫ですよ。Tさんだったら普通に登れますよ」と言っていたので、じゃあチャレンジしてみたい、という話になりました。

8月14日、奥多摩駅で9時にTさんと待ち合わせしました。
この日はお盆休みの期間中にもかかわらず、奥多摩のバスは平日扱いのようでした。
そればかりではなく、どうも普段の平日とも時刻表が違うみたいで、8月14日は特別な時刻表となっているようでした。
わたしはてっきり8月14日は休日扱いで、9時30分くらいに東日原行きのバスがあるだろうと思っていたのですが、ぜんぜんそんなことはなく、9時台にはバスの運行はないようでした。

奥多摩湖まで行って、そこから鷹ノ巣山に登っていくというルートも考えました。
その場合のゴールは東日原バス停になります。
そして東日原バス停の最終バスは18時57分くらいのようでした。

それでいけそうな気もしたのですが、18時57分に間に合わない可能性もあります。
なんといっても、奥多摩湖バス停から鷹ノ巣山に登るルートは今まで一度も経験がありません。

やはり開始は東日原バス停が良いだろうという結論になりました。
そしてゴールは奥多摩湖バス停あたりで考えていました。

というわけでバスもないですし仕方がないので東日原までタクシーで行くことにしました。
タクシーの料金は3070円でした。
Tさんには本来のルートである東日原からスタートのコースで鷹ノ巣山に登って頂きたいと思いましたし、そっちのほうが時間に余裕のあるスムーズな登山になりそうです。

そして奥多摩駅からタクシーに乗車。
タクシーの中で地図をひろげ、今回のコースをTさんに説明していると、タクシーの運転手の方が「どエムなコースですね」と声をかけてきて、そして鷹ノ巣山のコースについて、いろいろと説明をしてくれました。
なんでもその人、一人で奥多摩の山々を登りまくっているみたいで、ものすごく奥多摩に詳しい人でした。
地名とかコースとか、すらすらと話してきます。
奥多摩の遭難スポットや、奥多摩の遭難事件の詳しい話とか、いろいろと教えてくれました。
この日は雨がぱらつく日だったのですが、「こんな日が一番遭難が多いんですよ」ということも言っていました。

ものすごく奥多摩に詳しい人で、遭難した場合の対処法とか、いろいろと教えてもらえて、とても参考になりました。
タクシー代は勿体なかったですが、奥多摩の山々についての授業料と思うこともできます。

ただわたしとしては、Tさんに対して奥多摩の山々のベテランのような顔をして、さながら教師が生徒に接するようなエラそうな態度でTさんに接したいと思っていたのですが、しかし横から本物のベテランのタクシー運転手が話に割り込んできて、わたしの無知を徹底的にあばいてくれたので、その点に関してはかなり有難迷惑というか、気の利かないやっちゃなー、などと思ったりもしました笑

そのタクシー運転手にとってはわたしも奥多摩の初心者みたいなもんだったので、Tさんもすっかりわたしのことを、初心者を見るような目で見るようになって、教師が生徒に接するようなエラそうな態度で接するという大いなる野望は、早くも挫折してしまいました笑

そして道中、Tさんはけっこう、「この人大丈夫なの?」みたいな感じのオーラを発散させていて、かなり遭難を心配されてました。

そしていよいよ登山開始。
のぼりはじめの前半は、とても気持ちのよい道が続きました。
川苔山を彷彿させるような、澄んだキレイな川が流れている道のりです。
よっぽど川の水を飲んでみようかと思いました。
きっとおいしい水だと思います。

山頂にむけて半分ほど登ると、かなり疲れてきました。
そこからの道のりは非常に長く感じました。
途中からTさんは「先頭を歩いてもいいですか?」と言ってきて、先頭を交代しました。
そしてTさんはぐいぐいとハイペースで歩き始めました。

しかしなかなか山頂につかない。
Tさんのお友だちが挫折したというポイントのメシクイノタワにもなかなか到着しません。
Tさんは後何分くらいですかね?と聞いてきて、わたしは「あと10分くらいじゃないですかね」と答えたところから、さらに90分くらいかかりました。
あそこが山頂かな?と何度も思わせられ、しかしまだ全然山頂ではない、というパターンが何回も続きました。
Tさんもかなりお疲れのようでした。

しかしなんとかなんとか、Tさんのお友だちの挫折ポイントであるメシクイノタワまで到着しました。
そしてそこからさらに45分歩き、とうとう山頂に到着しました。

山頂で、しばらくのんびり座って食事をしました。
しかしこの日は、まったく人に会いません。
一度だけ人とすれ違いましたが、それで終わりです。
おそろしく静かな大自然の中を、Tさんと二人で歩いていました。

お手洗い問題に関して。
鷹ノ巣山にはお手洗いはありません。
どこかで適当にすませてしまうしか方法がありません。
しかしTさんはそれが非常に抵抗があるみたいで、ぎりぎりまで我慢したいとのことでした。
そしてけっきょく、9時間にもおよぶ登山になったのですが、けっきょく最後の最後まで我慢をやりとおしました。
女性にとっては山の適当な場所でお手洗いを済ませることは非常に抵抗があることなのだなと思いました。
人はまったくいませんし、たとえばわたしが10分くらい先に進んで待っておき、お手洗いをすませたTさんと合流するという方法なども考えたのですが、トイレ以外の場所でお手洗いを済ませることに非常に抵抗があるようでした。
わたしのほうは山頂付近で一度だけお手洗いを済ませました。

そして下山。
タクシーの運転手の方がおススメしてくれたコースで、下山をすることにしました。
そのコースのゴールは倉戸口バス停になります。
しかしこの道、道迷いしやすいポイントがあって、普通に歩いているとふいに道が途切れました。
そして途中で道を引き返しました。
そしてとてもわかりにくい道を、地図とコンパスをにらみながら、進んでいきました。

かなりの悪路でした。
狭い道、急な道、すべりやすそうな道、道とは思えないような道、道かどうかわからないような道、そういう道が何度も出現しました。
「あの運転手、ぼくたちを遭難させようとしてませんかね。ははは」などと、冗談を言いながら進みました。

Tさんは後半、右足も靴ずれでひどく痛み出したようでした。
後半は悪路で、そして迷いやすい道のりを、苦労しながら進みました。
霧もけっこう濃かったですし、Tさんはかなり遭難を心配されてました。
わたしのほうは奥多摩のそんなような道はけっこう慣れていたので、あまり心配はしていませんでした。
しかし心配していないほうが、遭難の危険性が高いのかもしれません。

Tさんは登山をはじめる前にお友だちに、登山届けがわりのようなメッセージを送っていました。
そして18時ごろにもう一度ラインの連絡をするとのことでした。
遭難した場合に備えての最低限の備えをされていたようでした。

このくらいのレベルの山だったら、登山届けとか、ちゃんと出したほうがいいのかなーとわたしも思いました。
例えば交番なんかで、今から登山します、とか言って、終わったらまた電話します、とか、そんなことでもいいのかもしれません。
詳細な登山届を出すのはけっこう億劫なのですが、それをきちんと出しておけば安心は安心に違いありません。

悪路の中、Tさんは痛む足をかばいながら歩き、なんとか登山は終了しました。
「やったー」と、Tさんはとても安心した顔つきで、満面の笑みを浮かべ、わたしとハイタッチをしました。

今回は9時間にも及ぶ過酷な登山になりました。
Tさんは「わたしはもっと低い山のほうがいいみたい」と言っていました。
それでも鷹ノ巣山を制覇できたことは、とても嬉しそうでした。
足が負傷しなければ、もっと楽に登山できたのではないかと思いました。
下りで靴ずれしたようです。
高い登山靴をはけば、だいぶ違うのではないかなーと思いました。

倉戸口バス停まで到着して、すぐにバスが来ました。
それに乗り、奥多摩駅まで戻りました。
Tさんはバスでも乗り物酔いをしてしまい、かなり苦しそうな様子でした。
最後にお風呂でも入って帰りましょうかという話もあったのですが、Tさんの疲労がとても大きかったので、それは見送りになりました。

わたしは後半、足の負傷や疲労などのため、かなりテンションが下がっていたTさんに対して、ベラベラとお話をしていて、Tさんの疲労とか車酔いとかに全然気づきませんでした。
そのあたりについては、かなり反省しています。
自分のことを鈍感人間だなーと思います。
極限まで疲れている中でいろいろと話しかけられ、さぞかし大変だったに違いありません。
きちんと相手の様子を見て、お疲れのようだったら会話を控えるなどの配慮が必要であるように思いました。
それと登山のあとのお風呂についても、もしかしたらTさんはお風呂に入りたがっているわたしに合わせて、むりにお風呂まで付き合おうとしてくれていたのかもしれません。
その点に関しても、むりしてお付き合いをさせてしまい、相手の負担になってしまわないように、配慮する必要があるように思いました。
なんといっても後半は、疲労でテンション下がりまくっていたTさんに対して、自分が話したいことを話したいままに、さながらマシンガントークのようなトークを繰り広げ、これはちょっと、そうとうな鈍感人間で、まーダメだなーと思います。
基本的にわたしはけっこう、自分が話したいことばかりを話して、あまり人の話を聞けてないのかもしれません。

今回もTさんはいろいろとお友だちとの関係で、最近ギクシャクしてるらしく、いろいろとお話してくれて、「どう思います?」とか聞いてくれましたが、それに対してもあまり有効な返事はできませんでした。
女性同士の繊細なやり取りというか、デリケートな心配りの問題は、ガサツなわたしにはなかなか未知の世界です。
本気で悩みを相談しているTさんに対して、「女性ってそういうことを考えるんだー」と、そういうふうな印象しか浮かばず、お友だちとTさんとどちらが悪いのかとか、どちらが配慮が欠けているのかとか、それもまったく判断できませんでした。
「相手が感情的になったときは、こちらも感情的な言葉を返すよりも、相手の怒りがおさまるのをまず待ったほうがいいと思います」と、助言したのですが、それはけっこう「なるほどー」と言ってもらえました。
その他の助言は、ちょっとイマイチみたいでした。
本当は「どう思います?」という話で、Tさんは率直な意見を聞きたかったに違いなく、ある程度、自分にとって耳がいたいような、批判的な内容でも、言ってほしかったのかもしれません。
しかしわたしはもう、Tさんが気に入るような助言を考えるばかりで、まさにTさんを顔色をうかがいながらの、助言になりましたので、それがTさんに響かなかったのはムリのない話です。
モテるような男性というのは、こういうとき、率直な意見をバシっと言って、叱るときは叱る、みたいな助言をバシっとできるようなものなのかもしれません。
しかしわたしにはそれはあまりにも高等テクニックすぎると思う次第です。

というわけで今回、Tさんとの鷹ノ巣山の登山が無事、成功しました。
長い登山をお付き合いいただけたTさんに、感謝の一日でした。
<<「高尾山(小仏城山コース...」