鍋割山に登ってきました
投稿日
2017/11/30
2017年11月29日の水曜日、丹沢の鍋割山に登ってきました。
登山の目的は登山イベントの下見です。
後日、鍋割山の登山イベントを開催する予定です。
私は一度鍋割山に行ったことはあるのですが、記憶があいまいで、あんまり覚えていません。
だからもう一度、チェックしてくることにしました。
まずは渋沢駅からバスに乗り、大倉バス停に行きました。
大倉バス停で女性連れの男性が私の方を見ながら「塔ノ岳」とつぶやきました。
もしかしたら、「塔ノ岳行くの?」と、私に訊いたのかもしれません。
その男性は私の顔を見ながら連れの女性と会話をしているのだと思い、特に返事はしませんでした。
大倉バス停に到着したのは、9時50分くらいだったと思います。
けっこう遅い時間なので、急いで登らなければ下山時に夜になってしまうかもしれません。
一応今回は、ヘッドライトも用意してきました。
今回は、せっかくなので、歩いたことのないルートで歩いてみようと思いました。
登山イベントの鍋割山は登った道と同じ道で下山する、ピストンの登山を予定しています。
しかし今回はせっかくなので、鍋割山の山頂まで行ってから、雨山峠というところを経由して、寄バス停に下っていくコースを試してみようかと思いました。
そのコース、地図で見るとびっくりマークが4つありますし、クエスチョンマークも2つあります。
スリリングで道に迷いやすいような、冒険的なコースのようです。
その道を通りたいので、ますますのんびりとは歩いていられません。
急いで歩いたほうが良さそうです。
大倉バス停から鍋割山への道のり。
まずは黒竜ノ滝、というところが見どころっぽいです。
まずはそこを目指すことにしました。
道は意外とわかりにくく、前もって来ておいたのは正解だったな、と思いました。
この道でいいのかなー、と、ちょっと不安にさせるような道のりです。
しかしまあ、大抵、迷うことはないでしょう。
黒竜ノ滝、残念ながらスルーしてしまいました。
特に目にすることもなく、その先の二俣というところに着いてしまいました。
黒竜ノ滝、今のところ私の中では幻の滝です。
登山イベントでは、二俣というところから、小丸尾根という尾根を経由して、二俣分岐というところまで登っていくコースを予定していたのですが、どうやら小丸尾根は避けたほうが良さそうです。
小丸尾根への道のりの入り口には、「この道は遭難が多いです」というような看板が設置されていました。
ここは小丸尾根を通るのではなく、後沢乗越というところに向かう道を選択するほうが正解のようです。
そのほうが山頂の到着時間も、15分ほど早くなるようです。
でもしかし、山と高原の地図では、その小丸尾根を下る道が紹介されていました。
しかしまあ一番登りやすいのは、小丸尾根は通らずに、後沢乗越を経由して登っていく道であると思われます。
とりあえずその道を選択して、歩を進めていきました。
かなり早足で歩きました。
しかし気付いたことがあります。
登山は、ゆっくり歩いたほうが面白い!
まあ、早く歩いて疲れたということもあるのですが、やはり急いで登るとつらいばかりで、あまり楽しくありません。
ゆっくりした足どりで自然を満喫しながら歩いた方が楽しい、と思いました。
そして鍋割山の登山道、けっこう楽しいです。
まだまだ紅葉もきれいでした。
渓流沿いを歩きますし、渓流にかかっている細い橋を渡ったりもします。
細い橋は歩いているとびろーんびろーんと揺れて、なかなか面白いものです。
まあ橋といってもすごい短いですし、高さもそんなにありません。
せいぜい川から一メートルくらいの高さです。
落ちたら死ぬとか、そういう高さではありません。
落ちたら骨折くらいはする可能性はありますが、死にはしない、そのような高さです。
後沢乗越に到着し、そこから鍋割山の山頂を目指して歩きました。
いやなんといっても、富士山がでかい!
こないだ大菩薩嶺に行ったとき、富士山がでかくてびっくりしたものですが、いやなかなかどうして、鍋割山だって、大きな富士山をしっかり見れます。
鍋割山から見る富士山もでかい!
この時期は空気が澄んでいて、遠くまで見渡せるということなのでしょう。
とにかく富士山がでかいです。
金時山とかだったら、もっとでかいんじゃないかなー。
前に金時山の乙女峠に行ったときに見た富士山は、ものすごく大きくて、たぶん今まで見た中で一番大きな富士山でした。
いや富士山は雪をかぶると目立つんでしょうね。
頭に雪がない富士山は、富士山なのかどうか、よくわからないものです。
やっぱ富士山は、雪をかぶってなんぼ、というものだと思います。
まー、後沢乗越から山頂までの道中から見る富士山の景色は、なかなかのものでした。
山頂から見る富士山の姿もとても良かったです。
で、鍋割山、かなりきつい。
思ったよりも全然きついです。
もっと楽に登れる山だとばかり思っていました。
けっこうきつい山です。
前に鍋割山を下山していたとき、15時すぎくらいだったと思います。
イケメンの男性一人と、女性二人が、向こうから登ってきました。
イケメン男性は、青い顔をしてうつむき加減で、黙々と歩いていました。
それから10メートルほど離れた後ろから、女性二人がぴったりと並んで歩いていました。
女性たちはぷりぷり怒っていました。
「軽いハイキング感覚で登れる山じゃないでしょ!」と、吐き捨てるように言って、怒っていました。
「帰りはあいつに全部荷物持たせようよ!」と、言っていました。
どうやらイケメン男性に軽いハイキング感覚で鍋割山登山を誘われて、その女性二人は一緒に来たようです。
イケメン男性も女性たちも、山の格好ではなく、公園かなにかに来るようなお洒落な格好をしていました。
で、15時過ぎに登っていたのですが、山頂に到着するまで、まだ二時間くらいはかかるのではないか、という場所にいました。
だから山頂に到着したときには、17時過ぎくらいになっていると思います。
そしてあの感じですと、ヘッドライトとか持ってないと思いますし、あの方たちはおそらく日帰りはできなかったのではないかと思います。
おそらく鍋割山の山頂にある鍋割山荘で、宿泊するはめになったのではないでしょうか。
もし仮に無理して暗い中を下山してしまうと、遭難してしまいます。
明かりがあったとしても危ないのに、明かりを持たずに暗い中を下山ということは、絶対にできないことだと思います。
軽いハイキング感覚で登れる山じゃないでしょ!
確かにそうだと思いました。
もしかしたら塔ノ岳よりも鍋割山のほうがきついかもしれません。
鍋割山の登りのコースタイムは3時間30分くらいのようです。
塔ノ岳の登りのコースタイムも3時間30分のようです。
あの頃は私も登山をはじめたばかりで初心者でしたし、もし私が上級者だったらその方たちに、「今から登ると夜になりますよ。今日はもう諦めて私と一緒に下山しましょう。そうしないと遭難しますよ」と、言うことができたでしょう。
でもなかなか言えるセリフではない。
「ほっておいてくれ」と、冷たく言われてしまうかもしれません。
とりあえずそのような道を進み、鍋割山の山頂に到着しました。
山頂では鍋割山の名物の鍋焼きうどんを食べている人の姿を、たくさん見かけました。
鍋割山の鍋割山荘で名物の鍋焼きうどんが売られています。
料金は千円のようです。
ここで注意点があります。
鍋割山荘のご主人、なんというか、けっこうガツンと言ってきます。
鍋割山荘のルールを守らないと、怒られます。
せっかくこれから美味しいものを食べるときに、ガツンと怒られてしまうと、美味しいものも美味しくなくなります。
だからご主人に怒られないための作法をここにお伝えしておきます。
・鍋焼きうどんを注文する場合、山荘にはリュックを持って入らないこと
リュックを持って入ると、「リュックは外に置いて!」と、怒鳴られます。
リュックは山荘の前に置いてから、山荘の中に入る必要があります。
トレッキングポールもダメっぽいです。
外に置いといたほうがいいと思います。
そして、鍋焼きうどんを注文するときは、まずは名前を紙に書くみたいです。
ご主人が「紙に名前書いてください」と、言ってる声が聞こえてきました。
紙に名前を書いて、そして鍋焼きうどんが出来上がったら、その時にお金を支払うようです。
あのご主人、絶対なんか文句言うのかなー。
あるいは、完全にルールを守れば、文句は言われないだろうか。
私は実は、怒られるとイヤなので、鍋焼きうどん、食べたことがありません(笑)
で、食べた後に食器を返すとき。
・カウンターの空いてる場所に食器を返してください
カウンターの空いてる場所ではなく、適当な場所に置こうとすると、
「そこじゃない!こっちこっち!」と、怒鳴られます。
しかしご主人、ダメだよー。
私は食器を返すルールを知ろうと思って、食器を返そうとしている女性の後ろからついていきました。
そしてその女性は、「ごちそうさまでしたー。食器はどこに置けばいいですか?」とご主人に聞きました。
するとご主人は「空いてるところに適当に置いて」と言いました。
そして女性は、カウンターの台ではなく、違う台に置こうとしました。
まさにそのときに、
違う違う!そこじゃない、こっちに置いて!
と、怒鳴られていました。
いやー、ご主人、そりゃないですよ。
というか、怒鳴りたいんですか、要するに。
なにしても怒鳴られるのかも。
なんか山荘の壁に貼られているメニューに「カキ氷」がありました。
で、その日はけっこう暑かったですし、カキ氷が食べたいような気になりました。
で、大学生みたいな男性が、カキ氷を注文したみたいなのですが、「カキ氷はない!」と、怒鳴られたみたいです。
「カキ氷、無いって」と、その男性は苦笑いして友だちに言ってました。
でもメニューに書いてますよ、カキ氷。
ひどいなー。
怒鳴るの好きなんですかね、要するに。
趣味ですかねー。
山小屋のご主人って、けっこうそういう感じの人が多いんですかね。
いや私は決して、鍋割山荘の営業妨害をしているわけではありません。
ただ怒られるのが苦手な人は、鍋焼きうどんを食べるのも一苦労だなーと思いました。
まあ登山イベントでは、鍋焼きうどんを食べる人がご主人に怒鳴られて、嫌な気分にならないように、配慮しないとなー。
でもあの人、絶対怒鳴るんじゃないかな。
怒鳴らないと気が済まない性格なのではないか。
でも鍋焼きうどんは美味しいらしいし、そんな嫌な人間が美味しいもんなんか作れないと思うから、ご主人、口は悪いけど、しかしその心は本当は黄金のように美しいのかもしれないですね。
うん、いくら感じが良くても、出す料理がマズいよりは、行列ができるラーメン屋さんの頑固親父みたいに、口が悪くても美味しいラーメンを出すほうがいいですかねー。
まあというわけで、私は鍋焼きうどんは食べませんでした。
とりあえず山頂では10分程度休憩し、下山を開始しました。
下山の開始時刻は、12時40分くらいでした。
ここからの下りのコースタイムは、3時間40分くらいです。
コースタイム通りでしたら、16時20分に寄バス停に到着するはずです。
そして進みました。
雨山峠方面への道のり。
危険個所四つ。迷いやすい道二つという冒険コースです。
で、最初のほうはまあ、なかなか面白い感じの道だなって思いました。
このくらいだったら別にそんなに危険でもないなって思いました。
でも、すごいクサリ場がありました。
あ、これはアウト
と、思いました。
今まで経験した中で、ぶっちぎりで一番長いクサリ場でした。
これはもう完全アウトです。
いやーもう、ほぼロッククライミングです。
これはダメだ。
30メートル以上のクサリ場の道のりです。
かなり危ないです。
クサリ場に不慣れな人とこの道を進むのであれば、できればロープで繋がっておいたほうが良いかもしれません。
ロッククライミングのザイルパートナーみたいな感じです。
けっこうすべって落ちる可能性もありますからね。
腕の力が弱かったりすると、危ないかもしれないです。
鍋割山の山頂から、雨山峠に進む場合は、要注意です。
地図上では普通に実線になってますけど、破線になってもいいくらいです。
破線の道ってもっとひどいんですかね。
わたし、破線の道も通ったことありますけど、こんなにひどくなかったですけどね。
で、その超ロングなクサリ場だけでなく、この鍋割山から、雨山峠までの道のり、いやー、迷いやすい道があります。
地図で見ると、クエスチョンマーク、ないんですけどね。
普通に歩いてて、普通に迷う道があります。
普通に歩いてて、進んでると、「この先、道ないんじゃないの?でも合ってる?合ってると思うけどなー」という道がありました。
で、上を見てみると、ピンクだかイエローだかのテープを目にしました。
このテープが、登山道を示すテープです。
あれかー。
と思って、
じゃあ引き返すか、
と思って、引き返しました。
で、そのテープの通りの道を進みました。
でもずっと、なんの標識もない。
やっぱりさっきの道が正しかったんじゃないかな。
もう雨山峠、通りすぎてしまったかも。
さっきの道がやっぱり正しい道で、これ今って、雨山峠通り過ぎて、檜岳の方向か、あるいは、雨山橋のほうに向かってんじゃないの?
と、すごい不安になります。
やべ、遭難するかも。
と、思いました。
持っているものは、チョコレート一袋。小さなチョコレートが50個くらいは入ってます。
水はペットボトルで二本くらい。
ヘッドライトあり。
最悪、戻ることになる。
あの超長いクサリ場をまた登っていく。
そしてあの、怒鳴るご主人がいる鍋割山荘で、宿泊とか。
そんなことなってしまうかも、最悪。
夜になって。
ヘッドライトをつけて。
元来た道を戻り、なんとか鍋割山荘に到着し、そしてあの怒鳴るご主人に、「無謀な登山するんじゃないよ!」と、怒鳴られて、しかしご主人、本当は黄金のように美しい心の持ち主なので、美味しい鍋焼きうどんを作ってくれて、それ食べて、「ご主人、かんにんやでー」とか言いながら、泣いちゃったりなんかして。
そんな事態になってしまう可能性もあり。
でも地図を見てみると、もし雨山峠を通り過ぎてしまったとしても、檜岳方面に進んでしまったとしても、ずっと行けば、寄バス停に到着できるはずです。
そしてもし、雨山橋の方向に進んでしまっていたとしたら、このままずっといけば、ユーシン渓谷のところまで行って、そして玄倉バス停にたどり着けるはずです。
なんといっても私はユーシン渓谷は二回も行ってるので、そこまで来れば家に帰ってきたようなものです。
安心感があります。
地図をにらんでそのように考え、安心して、ぐいぐい足を進めます。
地図を見て安心したとたんに、標識が出てきました。
で、道は間違っていなかった!
しばらく進めば、雨山峠です。
ということは、いやーやっぱ、さっきの道は、間違いやすい道だわー。
と、つくづく思います。
ヤバいですね、この道は。と、思います。
それでまあとりあえず、雨山峠までいけば、あとはもう大丈夫です。
いや、それからの道のりも、道はやたらとごつごつしてるし、何度も何度も、渓流を横切らなければいけませんでした。
渓流を横切れるだけの幅が細いところを、けっこう探したりもしなければいけません。
渓流の右、左、右、左、右、と、何度か、横切りつつ、道を進みました。
道しるべは、ピンクのテープです。
あれ、テープがないと、道は全然わかりません。
この道、夜になると完全にアウトです。
夜になってしまえば、遠くにあるピンクのテープなんか、気付きませんから。
でまあ、なんとかかんとか、でこぼこの道を、何度も渓流を横切りつつ、進みました。
この渓流の水、飲んでも大丈夫?
私はちょっとだけ飲んでみました。
おそるおそる。
さすがに渓流の水は、水道の味がしません。
でもなんか工場の排水とかで、毒的なものが入ってんじゃないの?
という不安もあります。
少しだけ飲んでみて、それが原因で病院送りになるかもしれませんが、冒険して飲んでみました。
少しだけ。
で、またしばらく進んでいると、川の中からいきなり鳥が飛び出してきました。
鳥、水をたっぷり飲みに来たようです。
鳥が飲めるんだったら、おれも飲んだっていいでしょ。
と、思って、今度は渓流の水、かなりゴクゴクと、たっぷり飲みました。
でも大丈夫そう!
とかなんとかしながら進む道のり。
長い。長すぎます。
早く終わってほしい。そして早く家に帰りたい。
そんな長い道のりです。
そんな道も、ようやく終わりました。
自動販売機があるような場所につきました。
そしてそのにいたおじさんに、「バス停ってどこですか?」って訊くと、「そこに入ってすぐのとこだよ!」と教えてくれました。
「一時間に一本くらい来るからね。もう来るんじゃないか」と、愛想よく教えてくれました。
そのおじさんに教えてもらった通りに行くと、寄バス停がありました。
そしてバスが来るのは20分後くらいでした。
バス停に到着したのは予定よりも10分程度遅い16時30分くらいだったと思います。
終わった。
それからバスに乗って新松田駅まで帰ってきました。
と、言いたいところですが、最後まで微妙にミスしました。
新松田駅で降りず、その一個前の「新松田駅入り口」というバス停でバスを降りてしまいました。
というのは、バスの中に一人女性が乗っていて、その人が新松田駅入り口バス停で降りたので、それにつられて私もそこで降りてしまったのです。
しかし問題なく、そこから新松田駅まで歩くことできました。
その道中で、可愛らしい小さな女児を見かけ、その元気な声に癒されました。
まあバス停を間違えたおかけで、その女児の元気な声をきけたわけですし、逆にラッキーだったなーと思わないでもありません。