登山サークル アウトドアチャイルド

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鋸山の山頂には危なっかしい登山者が落ちている
投稿日
2020/10/04
今日は早起きをして、奥多摩の鋸山に登ってきました。
財布の中には二千円しか入っていなかったので、コンビニで現金を引き出そうとしたのですが、八時まで引き出しができませんでした。
それで、駅前のみずほ銀行のATMにも行ってみたのですが、やはりシャッターが閉まってます。
現金を引き出すことができません。
それで仕方なく、二千円だけ持って登山に出かけました。
どうせ、山に入ってしまえば、店はありません。
金を使う機会もあります。
だから大丈夫。
問題ない。
私は自分にそう言い聞かし、たった二千円しか持っていない不安を打ち消そうとしました。
今回は、鋸林道を歩てみました。
奥多摩駅から少し歩きます。
すると、奥多摩の消防署があり、その隣には、山岳救助隊の詰め所がありました。
救助隊のお世話にならないように、気をつけなければいけません。
鋸林道、舗装された歩きやすい道のりです。
高尾山の一号路ほど、急坂ではないですが、それと似たような舗装された道が、えんえんと続きます。
二時間以上続きます。
途中からは車両は通行止めになっているので、車やバイクが来ることもありません。
最初のうち、バイクが横切っていきましたが、その先は行き止まりのため、すぐに戻ってきました。
歩きやすい舗装された道のりを、えんえんと歩き続けました。
そのように、標高1000メートルを超える鋸山の近くまで、鋸林道は続きます。
林道の最後には、公衆トイレもあります。
そこでトイレを済ませると、山道に突入です。
そこから鋸山までの道のりは、誰も人がいませんでした。
そして、とても静かでした。
クマが出てきそうな雰囲気の場所だったので、周囲を注意深く見まわしながら、ゆっくりと歩を進めていきました。
とても静かです。
虫の鳴く音、鳥のさえずる音、聞こえてくるのは、それくらいです。
後は何も聞こえてきません。
地上ではありえないような、とても静かな空間でした。
そんな道をしばらく歩いていると、上のほうから人の話す声が聞こえてきました。
人の声がこんなにはっきり聞こえて来だしたので、もうクマは出てこないでしょう。
クマは人の気配があるところは避けるはずです。
少し歩くと、奥多摩駅に進む道と、鋸山に進む道との、分岐点に出ました。
ひとまず、鋸山に向かいました。
鋸山の山頂は、眺望がまったくありません。
標識は、まあ普通の標識です。
鋸山と書かれていて、標高は、1109メートルと書かれていました。
ベンチは四つありました。
そのうちの一つに座り、お茶を飲みながら、塩トマトを食べました。
すると、ご夫婦らしき二人の人が、山頂にやってきました。
私は背を向けた形でベンチに座っていたため、挨拶をするタイミングを逃しました。
で、ご夫婦は私のすぐ真後ろのベンチに座って、休憩をされているようでした。
すぐ近くのベンチに座っているのに、挨拶一つせずに過ごしていたので、かなり居心地が悪く、塩トマトを全部食べてしまう前に、もう下山を始めようかとも思いました。
その折に、「お先に失礼します」などと、声をかけてそこを後にしたら、気分的にすっきりしそうです。
しかしその、「お先に失礼します」などと、言わなければいけないのが、ひどく億劫にも思いました。
だったらいっそ、無言のまま、その場を立ち去った方がいいかもしれません。
そんなようなことを悩んでいると、10人くらいいる年配の登山者グループが突然やってきて、賑やかな食事休憩を始めました。
それで、私としては、かなり精神的に楽になり、塩トマトをゆっくり全部食べました。
そしてお茶も一本飲み干しました。
山頂に来るまでで、とても疲れてしまったので、塩トマトとお茶で食料、水分をしっかり補給しないと、長い下山を始める気にはなりませんでした。
下山も二時間近くかかります。
地図のコースタイムでは下山の道のりは1時間40分となっていますが、実際は二時間以上はかかったように思います。
途中、地図に登山道は無いのですが、横にそれると、天地山という山があるようでした。
その山に、いつか行ってみようと思い、その横道を、確認しておこうと思ったのですが、気付いたときには、その横道は、とっくに過ぎていました。
それでわざわざ、登りなおしました。
そして地図アプリを見ながら、その天地山への横道を発見して、その横道を歩いてみました。
もう今日、天地山もちょっと見てこようかと思ったのです。
しかし、地図に登山道が載ってないだけあって、道はかなり悪そうです。
そして、かなり歩かなければいけなさそうです。
かなり長い時間歩いて、ようやくその天地山に到着しても、今度はまた同じ道を戻ってこなければいけません。
それを考えると億劫です。
もうかなり疲れてます。
というわけで、天地山はまたの機会にすることにして、本来の道に戻り、下山を進めることにしました。
そして30分くらい歩いた頃でしょうか。
バングラデシュの方のような外国人の三人組が向こうからやってきました。
それで、たどたどしい日本語で、「鋸山まであと何分くらいですか?」と訊かれ、「40分くらいです」と答えると、「ひえー」と、悲鳴を上げていました。
それで、「どうもありがとうございます」と言い残し、その方たちはいったん姿を消したのですが、再びすぐに戻ってきて、「鋸山に登った後、近くに駅がありますか?」と、訊いてきました。
それで私は考えて、「近くにはありません。大岳山、御岳山と進めば、ケーブルカー乗り場がありますが、かなり遠いです。登ったら、戻ってきた方がいいと思います」と、言いました。
鋸山に登った後は、登った道をそのまま戻ってくる。
いわゆるピストン登山をお勧めしました。
それで、戻ってくるようなことを、言っていました。
そしてまたお礼を言って、外国人の方は姿を消しました。
そのあと、私は自分の忠告が適切であったのかどうか、考えました。
そのとき、13時20分くらいでした。
で、その外国人の三人組が山頂に到着するのは、おそらく14時過ぎくらいでしょう。
そこから少し休憩して、下山したとして、下山が完了するのは、何時くらいになるだろうか。
16時半とか、17時とか、下手したら、17時を過ぎるかもしれません。
そうなると、もう結構暗くなるのではないかと思います。
暗くならないにしても、暗くなるギリギリの時間で、降りてくる感じになるかもしれません。
で、その三人は、けっこう普通の格好をしていたので、ヘッドライトとか、持ってないかもしれません。
となると、結構危ないのではないかと思わせられました。
現在地も把握できていなかったみたいだし、地図アプリも使っていなくて、地図も持っていないようでした。
それで、とてもアバウトな感じで、登山してるような感じでした。
それで、とても危なっかしく思います。
ピストン登山を進めて、正解だったと思います。
鋸山から大岳山をへて、御岳山まで行くと、三時間くらいはかかると思います。
地図をざっと見てみても、3時間20分くらいかかるようです。
14時に鋸山に到着したとして、それで御岳山方向に向かうと、御岳山に到着するのは、早くても17時20分くらいかと思います。
そこから日本語が不慣れな外国人が、ケーブルカーに乗ったり、ケーブル下バス乗り場から御岳山までのバスに乗ったりするのは、とても大変そうです。
かなり厳しいと思います。
だから、登ってきたのと同じ道で、そのまま下った方がいいというアドバイスは、適切だったと思います。
それでも、下手したら、下山の途中で真っ暗になってしまい、110番通報して、山岳救助隊に助けてもらわなければいけない羽目になる可能性も、ゼロパーセントであるとは言い切れません。
そもそも外国人なので、遭難したら110番通報するという情報も、知らないかもしれません。
まあまだそんなに寒くない今の時期なので、暗くなったら一晩うずくまって、朝になるのを待てば、死ぬことはないでしょうが、とても大変な目に合うことは確かです。
一言で言うと、やっぱり、「山を舐めてるな」という印象です。
私のように、もう100回以上登山している人間だったら、普通にヘッドライト、地図、地図アプリなど、用意してますし、おおよその登山スケジュールも、頭に入っているものです。
雨が降った場合に備え、レインコートなどの用意もしてきます。
それらはもう、当たり前のようにできている備えです。
特に何も考えなくても、レインコートやヘッドライト、地図、コンパス、地図アプリなどは、絶対に用意します。
それはもう、常識中の常識です。
しかしそういう当たり前の備えをしていない人もいます。
私も登山をやりはじめた最初のころは、とてもアバウトでしたし、地図も持たず、コンパスも持たず、地図アプリも持たず、道の矢印だけを頼りにして、登山してました。
そしてそんな登山のやり方をして、遭難しそうになったことも、一度や二度ではありません。
最初はやっぱり、どうしても山を舐めてしまうのです。
で、そんなことが、毎週、当たり前のように行われているのだということに、気づきました。
山岳救助隊が、存在するわけです。
実際に毎週毎週、次々と、山を舐めてる感じの人たちが、続々と登山しているのです。
で、山岳救助隊は、大活躍することになるのです。
その外国人の三人組を見て、そんな風に思いました。
低山とはいえ、1000メートルを超えるクラスの山の場合、やっぱり、起こりうることです。
鋸山は、道迷いなどの危険は、ほぼ無いと思いますが、下山している途中で、真っ暗になってしまった、そういうケースは多そうです。
山のトラブルは、やっぱりなかなか無くならないものなのだと思います。
それが本格的な山になればなるほど、そういうトラブルは、多くなっていくでしょう。
だからやっぱり初心者のうちは、本格的な山に行くときは、経験者と一緒に登った方がいいと思います。
その方が安全です。
アバウトな感覚で登山してしまうと、怖い思いをすることも、増えてしまいます。
最悪、命を落とします。
山はやっぱり、怖い面もあると思います。
そんな具合に、その外国人三人組のことを気にしながら、下山しました。
もっときつめに、危機感をあおるような感じで、明確に、「暗くなる前に降りるように、気をつけたほうがいいですよ。ライトとか、持ってます? 持ってないんだったら、もう今から降りてしまったほうがいいかもしれませんよ。山の中で夜になってしまったら、遭難してしまいますよ」、くらいのことを、言ったほうが良かったのかもしれません。
その後、下山を続けます。
そして、そろそろ下山終了というタイミングで、高校くらいの三人組と出くわしました。
14時18分。
今から、登るの?
勝算は、あるのか?
鋸山まで登るのであれば、往復で、早くても4時間以上はかかるでしょう。
遅ければ、5時間くらいはかかるはずです。
で、その先頭の少年を見ると、登山のザックを背負っていましたし、勝算がありそうな感じの人でしたが、その後ろの二人は、普通の街の格好に見えましたし、靴も普通の運動靴でした。
「今から登って、大丈夫。暗くなるんじゃないの?」などと、声をかけたほうが良かったのかもしれませんが、なんか、勝気な感じの表情をした少年だったので、「うるせえ、おっさん、余計なお世話だ」とか、言われてしまうかもしれないので、何も言わずに通り過ぎました。
しかしやっぱり、月並みな言い方ではありますが、山を舐めた状態で山に登ってる人、決して少なくなさそうです。
だから救助隊の出番は、無くならないのです。
そんなことを考えさせられました。
私も登山サークルとかやっているわけですが、交流とか、親睦とか、そんなことは特に重要ではなく、一番重要なのは、安全に登山すること、無事、登山が終わること。
そこなのかと思います。
やっぱ山は怖いです。
で、いくら経験があっても、遭難の可能性は、ゼロにはなりません。
でも、初心者に比べると、色々と備えは知ってます。
だからその備えを教えてあげて、そして、無事に、安全に登山を完了する。
そこだけが、気にすべき点なのではないかと、思いました。
交流とか別に、そういうのは、別に、どうでもいい話なのかもしれません。
安全に登山するための知識とか、技術とか、そういうのだけが、重要です。
後はもう、おまけみたいなものです。
そんな風にも思います。
登山でケガしたりとか、遭難したりとか、命を落としたりとか、絶対にあってはいけないことです。
それを回避するために何をすればいいのか。
そこが一番重要な気がします。
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