逆襲の鋸山
投稿日
2021/11/16
色々考えた末に、現在千葉の鋸山に向かってます。
鋸山、移動するだけで大変です。
片道実に3時間53分。
片道の電車賃実に2640円。
とんでもない数字です。
この数字を見ただけで戦意喪失。
到底鋸山に登ろうとは思わない。
しかし昨日はわりと早寝をし、早く起きれるようにとカーテンを開けて寝たところ、早暁5時半ごろに起床でき、嗚呼やっぱり鋸山に行くとしようと独りごち、高速スピードで支度をし、家を出て、セブンイレブンで茶を購入し、矢のように最寄り駅に飛んでゆき、東京行きの電車に乗り、現在椅子に座ってます。
昨日は仕事の契約についての話がきて、もろもろ今後のことなんかを考えてみるならば、今このタイミングでは到底鋸山になど行けるわけがあるまいよ、などと、一度は諦めかけた鋸山登山でありましたが、昨日は運命的に早寝でき、早暁も運命的に早起きできて、これぞまさに、「運命を食べてみたら、うんめい!」などと独りごち、結句、鋸山の登山を決意したのでございます。
鋸山、地獄のぞきとかいう名所もありーの、壁に彫られた巨大な仏像みたいなものがありーの、これぞまさに、「仏像にイタズラしたら、ぶつぞう!」などと独りごち、嫌ったらしくニヤニヤし、鼻すすりをしておるのでございます。
鼻すすり、ネットで調べてみたところ、どうやら体に悪いらしい。
しかし私は1日に100万回くらいは鼻すすりをしていると自負してます。
これが私の矜持です。
でも本当は鼻すすりをするのではなく、小まめに鼻をかむべきなのですね。
だがしかし、ティッシュはザックの中にあり、ポケットの中には無いのです。
この電車が東京駅についたら、そのときにしっかりと鼻をかむゆえ、今回に関しては何卒穏便に、容赦願えませぬだろうか。
やれやれ、まったく、電車の中というものは、通勤時、人も多くて、まったくもって、うざったいくらいに、人がたくさん乗っているものだから、どうにも息苦しく、居心地が悪いものだなあ。
早く広々とした山の中に潜りこみ、そこで思う存分、手鼻をかんで、みたいなあ。
マスクしてると糸くずが鼻をくすぐったり、糸くずが鼻に入ってきたりするものだから、なおのこといけない。
電車のほう、国分寺に到着、ここで特急電車の、通過待ちをするらしい。
そのため、三分ほど、停車するらしい。
で、武蔵小金井駅で、後から来る電車とまた、通過待ちをするらしい。
本当は、先を急ぐなら、後から来る電車に乗ったほうが良いようだが、なーに、別に構うまい。
後から来る電車に乗ると、きっと座れないに違いないし、東京駅に到着する時間だって、そんなに大きな違いはあるまい。
まあこんな風に、両隣りに座ってる寝てる人に挟まれながら、のたのたと、スマホで文を綴り、時間を潰しておれば、やがて東京駅に到着するであろうとも。
え、もう着いたの?とびっくりするくらいの体感速度で、瞬間移動さながらに、冷凍保存され、千年後の世界で目覚めました然として、やがては目的地、桃源郷に、辿り着かないわけがない。
そう、確かに貴方達の仰る通り、夢見る夢子ちゃん然とした、まさに現実逃避であり、自分の殻に閉じこもり、小さな世界の中だけで王様然として、社会に出れば子猫ちゃんのように弱々しく、震えている、そして、チワワかよ!と突っ込まれながらも、ナメクジのように陰湿に移動を重ね、塩を振りかけられようものなら、いや、そんな折りでさえ、塩を振りかけては貰えず、ごめん塩こしょうしかないや、などと謝られ、余計なこしょうまでかけられてしまったナメクジの気持ちが、貴方達にはわかるのか!などと立腹し、次は三鷹である旨のアナウンスを耳をする。
五番線に到着するらしい。
その他、なんか色々ぬかしとるが、兎に角、早く東京駅に着いてほしいものだ。
む、目の前に、年配女性が立っている。
この場合本来は、どうぞお座りください、などと声をかけ、席を譲るべきかもしれないが、でも見たところ、まだ六十代くらいの方のようだし、年寄り扱いすると、キズつくかもしれない。
いやいや、結構ですよ、すぐに降りるので、などと言われてしまうかもしれない。
まあ、ここは別に優先席ではないし、八十代くらいの方なら一発譲らなきゃだけど、まだそこまで高齢の方ではないみたいだし、まあ別にいいよね。
というわけで、席を譲らないことに、話はまとまった。
ま、譲っても全然オッケーなのですが、ほら、なんとなく空気として、ここで席を譲るのは、逆に不自然というか、そんな感じもするわけで。
次は荻窪か。
着実に電車は進んでる。
きっと新宿で、人は大量に降りるに違いない。
その後はことによると、脚を組んで座れるくらいに、ガラガラになってるかもしれないなあ。
嗚呼鼻水が止めどなく流れ出る。
早く鼻をかみたいなあ。
これ、一体いつまで文を綴っておれば良いのだ。
いい加減飽きてきたし、指とか腕とかも疲れてきたわけだが。
スマホの入力は止め、腕を組んで、目を閉じて、眠りたいのだが。
座ってる人は、みんなそうしてるよ?
イヤイヤ、頑張れ自分、もうしばらくの辛抱だ。
次は中野だ。
新宿を着けば、きっと人は大量に降りる。
それを信じて疑うまい。
とりあえず、東京駅までは、書き続けていきたいものである。
そう、確かに貴方の仰るとおり、書くことなんか、別にない。
特に書くことなんかない。
そんな中、ただ時間を潰すことだけを目的として、これを書き続けているわけだが、なーに、急いで書く必要もないのです。
少なくとも、書いてる間は凍死しない。
生命がその動きを停止することはない。
書いている間は、生き続けることができる。
グランドジョラス、アルプス三大北壁、一体なぜこんなところまで来てしまったのだ。
そして落ちてしまい、色んな箇所を骨折してしまったものだから、もうダメだ。
俺は再びグランドジョラスの前に、敗北した。
でもこの夜を乗り切れば、朝には救助のヘリが来てくれるはずだ。
なんといっても、俺は大注目の中、北壁チャレンジをしているのだからなあ。
朝まで生きてれば、きっと誰かが見つけてくれる。
そして助けに来てくれる。
そりゃああなた、救助費、ウン千万円クラス、かかってしまうかもしれませんがね?
それでもやっぱり、命の方が大事でございますよあなた。
例え救助費が一兆円と言われてしまったとしても、それでもやっぱり生きていたい。
生き続けていたい。
まもなくお茶の水。
そろそろ、人が少なくなるのではなかろうか。
だって残りは、お茶の水、神田、東京というところでしょうに。
もう近いね、東京。
右隣に座ってた人、降りたね。
左隣のおじさん、東京駅まで行きますか?などとは口が避けても聞けまいよ。
コンクリートジャングル。
人を見たら泥棒と思え。
む、左隣のおじさん、神田で降りおった。
そして私はようやっと、脚を組む。
よしそろそろ、この文も一旦終わりにします。