高尾山、病院道コースより
投稿日
2022/04/29
はれて私は、無職になった。
昨日が最後の勤務日だった。
そして昨日の勤務後は、200MLのウイスキーを飲んだ。
別に酒を飲まなくても良かったのだが、長い勤務が終わり、開放感に包まれ、一つの仕事が終わって、頭を切り替えるためにも、ここは一つ、酒を飲んで、束の間、自らに「お疲れ様でした」の意味を込め、一人で宴を開催しようと、そのように考えた。
とは言っても、贅沢はしていない。
カレーライスを食べ、納豆ごはんを食べた。
あとは三矢サイダーを飲み、お茶を飲んだ。
仕事が終わって、思った以上にほっとした。
職場は、かなり難しい状態になってしまっていた。
私は今回の職場では、ずっと実験台のような扱いで、あれこれとストレスをかけられ、それなりに大変であったが、決定的なのは、私の窓口をしてくれていたYさんが突然退職して、そのかわりに窓口になってくれたのは、まだ入社して間もないBさんだった。
そのBさんが、新米の分際で、すごく偉そうというか、威張ってるというか、なんでも勝手に決める感じで、とても感じが悪いと思った。
でもそれでも、他の現場ではもっとひどい人はたくさんいたし、私も贅沢は言ってられないので、週に五日勤務にしてもらって頑張っていこうと思っていたが、残念ながら、週に五日勤務にはしてもらえなかったので、「だったらやめます」ということになり、先方も別に引き止めることもなく、「わかりました。じゃあ四月いっぱいで契約は終了とさせていただきます」という、あっさりとした話になってしまった。
まあ今回は、退職となってしまったのは不甲斐ない話だとは思うし、堪え性がなさすぎるのではないかと思わないでもないが、しかしそれでも、これはこれで仕方のないことなのではないかと思っている。
やはり新米の人から偉そうに指示されて、なんでも勝手に決められて、あんな感じだと、やっぱり屈辱的すぎるのである。
屈辱的すぎても、週に五日勤務になり報酬金が増えるのであれば我慢することもできたが、それも拒絶されてしまったものだから、もう仕方がない。
そんなわけで、今回は残念ながら、退職という形に相成った。
そして今日、無職第一日目に私は九時に起き、まずはやっぱりお約束として、高尾山に登ってくることにした。
家にあったゼリー飲料を持って、そして駅のコンビニで、おにぎり三つとお茶を買い、高尾山口駅まで移動した。
そして今回はケーブルカー清滝駅のところまで行って、さらに六号路方面に進み、まずは気になっていた、「岩屋大師」という場所に立ち寄った。
昔、弘法大師が雨に打たれて困っていた母娘のために、雨をしのげる岩窟を用意してくれた。
その中に入りこむと、とても快適な空間であったため、雨に打たれ病気になってしまっていた母親の体調も、すぐに回復したという話である。
と、うろ覚えだが、そのような昔話が言い伝えられているらしい。
岩屋大師に立ち寄った後は、琵琶滝まで移動する。
琵琶滝は、昔偉いお坊さんがそこを通りかかったとき、突然巨大な鹿が現れ、お坊さんを導いた。
そして導かれた場所には、琵琶を弾いている老人がいた。
その老人に、「悟りの道を教えてください」と、お坊さんがいうと、その老人の姿は消えて、かわりにそこに琵琶滝が出現した。
それでお坊さんは、そこを修行の場所とした。
というようなことが書かれた、解説板を目にした。
今日はその琵琶滝に立ち寄った。
そこにはお堂があり、お堂には「大聖不動明王」という、看板がつけられていた。
今回はその琵琶滝から霞台園地まで登っていく、「病院道コース」という名前の道で、登っていくことにした。
今わたしの手元には6250分の一の、拡大サイズの高尾山の地図があり、その地図に「病院道コース」という道が紹介されている。
昔はその道はとても険しくスリリングな道だったらしいが、今は普通に、安全に整備されている山道という感じである。
病院道コースで登っていき、二号路に合流して、二号路からさらに、三号路に合流した。
そして三号路で、山頂に向かった。
途中、今は通行止めになっているが、もともと道があったような道があり、その道を進むと、どうやら高尾山で一番高い杉である、飯盛杉の立っている場所に、至るらしい。
ちなみに高尾山で二番目に高い杉は、かの有名な、タコ杉である。
しかし現在は、飯盛杉に至る道は通行止めになっているものだから、飯盛杉を目視することは、おそらくできない。
しかし薬王院の境内から飯盛杉を見ることができるという情報を、どこかで目にしたような気がするが、それも定かではない。
まあとにかく、通行止めになっている道を進むわけにもいかないので、「あ、ここだな」と、飯盛杉に至る道の見当はついたが、今回はスルーである。
まあ高尾山で一番高い飯盛杉と、二番目に高いタコ杉の身長差は、数メートルくらいに過ぎないので、別に無理して飯盛杉を見なくても良いだろうと、自分に言いきかす。
歩いていると、雨が降ってきた。
構わず私は歩き続けたが、雨はどんどん強くなってきたので仕方なく、上だけレインコートを着た。
レインコートの下は、持ってきていない。
しばし歩き、高尾山の山頂に到着した。
山頂の大見晴台園地に行ってみたが、雨なので、風景は真っ白である。
しかしその場所から見える山の展望図は、今回はしっかりスマホで撮影した。
その中で、面白い名前の山があった。
「開運山」
なんと縁起の良い名前の山だろうか。
一度ぜひ登ってみたいような気になってくる。
山頂では雨だったが、曙亭だけ営業していて、大見晴亭とやまびこ茶屋は、営業していなかったようである。
やまびこ茶屋はよく確認したわけではないが、たぶん営業していなかったと思う。
一番奥の茶屋は、ネットで調べると「曙亭」というらしいが、そこだけ営業していた。
それと雨だが、山頂のビジターセンターからアナウンスがあった。
なんでも13時30分から15分くらい、ビジターセンターで、高尾山の魅力について、解説してくれるイベントがあるらしかった。
イベントの参加費は無料で先着順とのことで、その参加者募集のアナウンスだった。
雨なので山頂には人が少なかったが、そのイベントは予定通りにやるのだなあと思って、感心した。
私はもう雨に降られたため、早く家に帰りたかったので、そのイベントには参加せず、そうそうに山頂を後にした。
下山は、一号路で下山した。
下りながら、おにぎりを三つ食べた。
それがまた、激うまだった。
登山をするととても腹が減るので、飯がとても美味い。
なんでもないコンビニのおにぎりでも、劇的に美味い。
一号路で下山して、高尾山口駅で電車に乗った。
そして立川駅で降りて、本屋で本を買ってきた。
そのとき店員さんが、何か「千円以上お買い上げのお客様には・・・」と能書きをたれはじめ、なかなか本を手渡してくれなかったので、イラっとしてしまい、店員さんから本をひったくるようにして、強奪してきた。
しかしレシートを貰わなかったことに気づき、「レシート、レシート!」と叫びながら、レシートをもらおうとしたが、店員さんはまた、レシートとは別に、なんかバーコードみたいなものが印刷された紙も渡してきたので、また私はイラっとしてしまい、その余計な紙を、店員さんにつき返してきた。
そのように、感じの悪いお客さんになってしまった。
そのことがあり、憤慨しながらエスカレーターで下っていると、目の前に、親に抱っこされた女児がいて、その女児がじっと私の顔を見ていたので、私は買ったばかりの本を読んでるふりをしながら、その女児の視線を避けた。
女児は実に上機嫌そうだったが、それに比べ、こんなくだらないことで立腹してしまった自分の心の狭さを、無念にも思った。
まあ店員さんも、購入した本だけ渡してくれれば良いのだが、余計ものも次々と渡してくる。
それら全部、結局ゴミになるし迷惑な話だが、しかし店員さんも好きでそんなことをしているわけではなく、あくまでそれが仕事であり、上司に指示されてそれをしているだけなので、店員さんは何も悪くない。
にもかかわらず、店員さんに対して感じの悪い対応をしてしまったことに、本当にすまないと思う。
そのようにして、仕事の勉強目的の雑誌を、1700円くらい使って購入してきた。
無職なので、せめてしっかりと勉強していかなければならない。
そして、最寄駅まで帰ってきた。
そして近所のスーパーに立ち寄って、米五キロと、たらこを買ってきた。
高尾山で食べたたらこのおにぎりが尋常なく美味かったので、ついついスーパーでたらこを買ってしまった。
そのほか、鶏胸肉、片栗粉、ハム、食パンなんかも買ってきたいところだったが、あまり一度にたくさん出費したくないと思ったので、今回は購入するのは、ひとまず米とたらこだけにした。
まあ今日の登山はそんな感じである。
とにかく無職になったので、まずはしっかり勉強して、また次の職場を見つけなければいけない。
そして登山をして腹が減って、もう美味しいものを食べたくて、美味しいものを食べたくて仕方がなく、もう凶暴レベルの食欲勃々たる有様で、だからとにかく美味しいものを食べたい。
そのように思うが、しかし無職なので出費な極力避けなければいけないので、そうなるともう料理しかない。
スーパーで買って料理すれば、店で食べるよりも安く美味しいものが食べれる。
だから私は百グラム57円の鶏胸肉を今度買ってきて、それに味付けした上でたっぷり片栗粉をつけて、唐揚げみたいにしてやろうかと思っている。
そのときに使ったサラダ油も、野菜を炒めるなりして染み込ませ、その油も全部摂取してやろと思う。
サラダ油を一滴たりとも無駄にしない。
いっそサラダ油を、一気飲みしてやろうか。
それでなかなかの、カロリー摂取になるのではないか。
あとは、家にとろけるチーズがあるので、ハムと食パンを買ってきて、油で焼いて、ハムチーズパンにして食えば、揚げパンみたいな感じの、そんなパンにして食えば、きっと美味いに違いない。
あとはそうだなー。
たらこは買ったので、熱々ごはんの上にたらこを載せ、さらに韓国のりをたっぷり載せ、それを食べればまた、うめえぞお。
いやー食欲が、旺盛すぎる。
登山をすると、食欲が勃々たる体たらく。
これはきっと健康に良い。
やっぱり登山は健康のため、やめられぬ。
そうまさに登山とは、健康のためにするものである。