２０２４年８月１９日。月曜日。
　９時４１分、東京行きの電車の中にいる。
　猿田彦珈琲監修のコーヒー（ジョージア）（ザ・ブラック）を飲んでいる。最後尾車両の一番後ろで、壁にもたれて立っている。
　今日は府中市にある、大國魂神社に向かっている。府中本町駅で降りるつもりだ。
　片道の交通費は４０６円。先ほどスイカに千円チャージした。
　立川駅で南武線で川崎行きの電車に乗り、６駅目が府中本町駅である。３９分ほどの電車移動の、ちょっとした小旅行である。
　なぜ、大國魂神社に行くのか？
　なぜならそこに神社があるからだ。という理由ではなく、御岳山関係の本（古文書にみる武州御嶽山の歴史　岩田書院）を読んでいたら、大國魂神社の名前が何度も出てきたので、気になってしまい、一度行ってみることにした。
　大國魂神社は、とても格の高い神社であるらしい。御祭神は、大國魂大神。出雲の大国主神と御同神で、そのご利益は、縁結び、厄除け・厄払い。
　京王線府中駅より徒歩５分、南武線府中本町駅より徒歩５分の場所に、大國魂神社がある。
　次は西立川駅。
　今日はまだ一度も食事をしていない。今日は良い天気であるが、ほんの少しだけ雨が降りそうな気配が感じられたので、念のため、折り畳み傘を持ってきている。
　コーヒーを飲み終えた。
　電車の中は涼しくて良い。車内に人はたくさんいるが、皆、静かなものである。
　そして電車は立川駅に着いた。
　山田鶏屋のパリジューチキンの値段は、やはり税込で２９９円であった。
　トイレに入ると、唯一の空室の個室の前に、掃除のおばさんがいる。近づくと、「どうぞ」と声をかけられ、そこに入り、排泄に取りかかる。外から「お客様？」と、おばさんの声が聞こえる。自分に向けられた問いかけではないだろうが、少し、ギクリとしてしまう。排泄を済ませ、個室を出たとき、おばさんの姿は消えていた。
　そして今、すでに川崎行きの電車の中で座っている。電車は順調に進んでいる。
　次は分倍河原駅。
「ここ何駅？」
　前の席で幼い男児が父親にそう尋ねたが、スマホを操作中の父親の返事は聞こえない。しかしまた見てみると、スマホの画面を男児に見せながら、何かボソボソと説明している。お笑い芸人のおぎやはぎに似ている、眼鏡をかけた父親である。
　隣りの席に女性が座った。落ち着かないので席を移動したいところだが、そうすると角が立つように思われるので、ステイ、そのままでいる。
　とかなんとか言ってるうちに、早くも府中本町駅に着いてしまった。
　１１時０２分、大國魂神社の休憩所にいる。
　この神社の由緒や歴史の書かれた解説板を探してみたか、残念ながらそれは見つからなかった。この神社のホームページでそれらを確認することはできるが、神社の解説板に書かれたそれを見たかった。松尾神社、大鷲神社、住吉神社、宮乃咩神社という、摂社や末社の解説板は確認することができた。しかし肝心要の本社である、大國魂神社の解説板は、残念ながら見当たらなかった。
　さて、そろそろ帰路に着いても良い頃合いである。
　１１時４６分、府中本町駅のホームで、立川行きの電車を待っている。
　銀と黄色の車体が、ホームに滑り込んでくる。南武線のイメージカラーは黄色であることに、今更ながら気づく。すでに無意識で、とっくに知っていることである。
　次は、西府駅。
　さて、これから何食おう？
　安く済ませるか、贅沢するか、悩みどころである。安く済ませるのであれば、鶏卵が良いだろう。贅沢するのであれば、これから山田鶏屋で、パリジューチキンを買うことになる。しかしパリジューチキンという選択は、やめておくべきではないかと思う。それよりもやはり、スーパーで何か買った方が安い。動物性タンパク質を摂取したいのであれば、鶏卵を買うのが一番安い。今はまだ贅沢をしてはいけない局面だと感じている。鶏卵を食えるだけでも有難いではないか。それを食える事に感謝しなければいけない。納豆を買うのも良い。しかしパリジューチキンはいけない。今はまだパリジューチキンではない。
　そして今、立川駅に着いている。
　とかなんとか言いながら、衝動的に、パリジューチキンを買おうとしたが、やっぱりやめておいた。素直に家に帰る。
　ホームに青梅行きの電車が滑り込んできた。それに乗る。乗客は多い。ドアの前に立つ。
　次は西立川駅である。
　同じ車両に、髷を結い、浴衣を着た、お相撲さんが乗っている。それほど大柄ではない。身長は、１８０センチ以下だろう。音楽でも聴いているのだろう、耳にはコードレスのイヤホンを付けている。
　隣りには、緑のシャツの男性が立っている。何かの本を読んでいる。その男性は何かを感じたのだろうか、ゴホンと咳払いをした。そして中神駅で降りていく。
　そして同じ場所に、今度は年配の女性が立つ。ドアの前に立つ女性は、流れゆく景色を見ている。その右手は、手すりを握っている。
　向こうで年配の男性が、お相撲さんの腕をぽんぽんと叩いて、電車を降りていく。お相撲さんは、ぺこりと頭を下げた。
　次は拝島駅。
　お相撲さんは、椅子に座った。スマホの画面を見ている。身長は１７５センチくらいだろうか。お相撲さんとしては、小柄なほうかもしれない。
　そういえば、醤油が切れている。今日、スーパーで買うべきだろう。あと家にキャベツがあるが、それをどうやって食おうか。生でバリバリ食うか。なんなら今日は別に、何も買わなくてもいい。家にはパスタとトマトソースがある。パルメザンチーズもある。
　む、お相撲さんが、福生駅で降りた。
　どうしよう、今日はもう、トマトソースパスタで済ませてしまうか。
　今日はコーヒーを確か、三回も飲んでいる。そしてスイカに千円チャージした。
　別に醤油を買わなくても、家には塩もあるし、塩コショウもある。なんでも塩をかけて食えば、そこそこ食えるものである。だから醤油は、絶対に必要な訳ではない。
　そして結局、スーパーでノルウェー産の塩サバを買って（４４０円）、家で焼いて食った。美味かった。
　さらにプチトマトと醤油も購入した。
　そして先ほど三ツ矢サイダーも買ってきて、今、ぐびぐびそれを飲んでいる。