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将門山 2024年9月2日(月)
投稿日
2024/09/08
2024年9月2日。月曜日。13時。もういい時間である。小作駅のホームで、生茶を飲んでいる。今日は鳩ノ巣駅に行く。そして将門神社に行く。

平将門。軽くウィキペディアを確認する。その人生の最後は、項羽と劉邦の、項羽の最後に似ている。戦をして負けて、最後までわずかな人数で戦うも、最後は矢に当たり、討ち死にする。その首はさらし首にされる。項羽も最後は、その死体をバラバラにされたのではなかったか。英雄のその無惨な最後の姿に、好敵手の劉邦は涙した。将門は項羽と同じく、武勇の人物だったようである。

13時17分。奥多摩行きの電車の中にいる。将門神社は、将門山ともいわれるようだが、標柱など、確認できるだろうか。鳩ノ巣駅から、それほど遠くはないようだ。というか、かなり近い。地図アプリ(ジオグラフィカ)で見ると、そこまでの道もある。おそらく問題なく、辿りつけるだろう。

しかし、そんなところに将門神社があるとは、昨日、初めて知った。ほぼ知り尽くしていると思っていた奥多摩だが、まだまだ知らないことは多い。そもそも、すべての山に登山道があるわけではない。登山道の無い山頂もたくさんある。林業の人たちのみが立ち入りを許可されているような、一般の登山者は立ち入り禁止になっているような、そんな場所も多いだろう。

次は沢井。車内はガラガラである。

昨日、ようやく五木寛之の「親鸞」を読み終えた。親鸞は吉川英治も小説化している。偉大な名僧なのだろう。浄土真宗の創始者である。南無阿弥陀を唱え、救われる
。人間は、悪人と善人がいるのではなく、誰もが悪人であるという考えである。人間はたとえ菜食主義者であったとしても、草の命――他の命を奪いながら、生きている、罪深い悪人である。日本の仏教界では、その後も名僧が続々登場し、独自の教えを生み出していく。「禅」というものも出てくる。

電車はしゅくしゅくと進んでいる。

川井駅に到着。山、山、山と、山に囲まれたようなエリアである。いつも古里駅で降りることが多い。鳩ノ巣駅は、古里駅の隣である。

次は、鳩ノ巣駅。

13時52分。鳩ノ巣駅を降りて、将門神社に向かっている。

車道の道のりを選択したが、歩道の無い道を歩くハメになってしまっている。奥多摩はこのような、歩道の無い車道がけっこうある。本当はそういう道は極力歩きたくない。しかし今日はやむを得ず歩いている。幸い、車はあまり来ない。

足早に歩いていく。歩道が出てきた。歩道があると、ホッとする。

稲荷神社が出てきた。正一位 稲荷大明神。

また歩道が無くなった。道のりの選択を失敗したかもしれない。車が大きくよけてくれる。

山が悠然と聳えている。「来い」と、あの山頂から、呼ばれているような気がする。あの山は一体……。ああ、あれは、鳩ノ巣城山らしい。鳩ノ巣城山が、「来い」と呼んでいる。

将門神社の入り口を見つけ、登っている。

しかし鳩ノ巣までの交通費、片道だけで、318円もかかってしまった。

木造の家が立っている。

ゆきひめらん参道? 縁結び?

将門神社に縁結びの御利益があるというのか? なんでもかんでも縁結びの御利益をつけているのではないか?

来た。将門神社だ。なんという厳かな雰囲気だ。

急な階段を登っていく。

将門よ、ああ将門よ、将門よ。

狛犬二体が入り口を守っている。本殿の前にも二体いる。

本殿前に到着。本殿をぐるりと一周。

本殿前の狛犬は、狛犬というよりも、獅子舞のような姿である。緑と黄金の獅子舞。

石碑があるが、とても読みにくい。

さて、戻ろうか。

観音像。御幸姫観音。

「将門山」と書かれた標柱を探している。あるだろうか? 念のため、駅で麦茶を買っている。

木造の建物がある。あれはもしかして、将門神社の奥の院だろうか? いや、それはお堂である。「不動尊」と書かれている。そして、まさに、「将門山」と書かれている。木のベンチがある。地図アプリ(ジオグラフィカ)を見ると、この場所は、「将門山不動尊」となっている。

さて、戻るとする。

下り道がある。ここを下れば、きっと駅に戻れるだろう。上り道も気になる。登ってみたくも思うが、今回はやめておく。

けっこう汗をかいている。渓流の音が聞こえている。急な階段をおりている。本来はこちらから来るべきであった。あの、歩道がない車道は、通らないほうが良かった。

将門山に登っていく階段、その入り口に、道標はない。

東京都水道局 棚澤増圧ポンプ所。

道の祠で、観世音菩薩が祀られている。

むむむ! むむむ! むむむ! むむむ! 猿だ、猿だ、猿が二匹だ。滝だ。猿は、滝の水でも飲んでいたのか?

家がある。住宅街である。ここに住む人たちは、まさに、猿と一緒に住んでいるようなものである。日常的に、当たり前のように、猿を見かけているのだろう。

民家が並んでいる。住宅街である。こちらの道が完全に正解であった。普通の住宅街の道路である。今回、山道はほんのわずかであった。

鳩ノ巣駅まで後二分。という看板。

線路が出てきた。聳え立つ山。あれは、鳩ノ巣城山である。あれほど露骨に呼んでる山があるだろうか。完全に「来い」と呼ばれている。

そして鳩ノ巣駅に到着。

14時40分。鳩ノ巣駅のホーム。青梅行きの電車を待っている。

駅前に、外国人の若者たちがいた。東南アジア系の人たちである。

聳え立つ鳩ノ巣城山。しかし残念ながら、地図アプリを見てみると、そこまでの登山道は無い。つまり行けそうにない。と思いきや、ネットで見ると、登ってる人もいる。マイナールートではあるものの、道はちゃんとあるらしい。今度、登ってみたく思う。
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