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犬の散歩 2024年9月12日(木)
投稿日
2024/09/12
2024年9月12日。
木曜日。
6時49分。
小作駅。
電車の中。
犬の散歩をしなければいけない。
大変である。
家の近所を歩かせるだけでは、犬は満足しない。
わざわざ電車賃を使って、青梅丘陵まで連れていかなければいけない。
そうしないと、犬の健康は保てない。
体の健康もそうだが、心の健康もケアしなければいけない。
おまけに犬のだいそれた夢にも、付き合ってあげなければいけない。
犬は小説家になりたいと願っている。
しかし小説の賞に応募しても、すべて落選している。
その犬の努力も、サポートしてあげなければいけない。
二十五年以上頑張ってもまったく芽が出ないような、一円にもならないような努力を、サポートしてあげなければいけない。
具体的には、犬に読書をさせている。
そして、なんか書かせている。
すると、愚にもつかないことばかり書く。
その内容は、少しも面白くない。
道のりは遠い。
勝算は無い。
犬の健康を考え、野菜とかも食わせなければいけない。
トマトとか人参とか食わせているが、それでも野菜不足だろう。
もっと野菜を食わせなければいけない。
犬が無駄遣いをしないよう、見張ってもいなければいけない。
色々と大変である。
そして小生は、それらをうまくやれているのか、心配である。
少しは犬の文章は進歩しているのか。
あるいは逆に退化しているのか。
ますます面白くない文章になっているのか。
少しは面白くなっているのか。
小説の賞にも応募させた方がいいかもしれない。
9月30日まで募集の、坊ちゃん文学賞とか、いいかもしれない。
昔、犬の友人が、犬が「小説家を目指す」と言った時、「それは君には向いていないだろう」と指摘したが、その指摘は正しかったかもしれない。
犬は向いていないことを頑張っているのかもしれない。
でも、じゃあ、何が犬に向いているというのか。
小生には、さっぱり分からない。
ただ厄介な役割を背負わされてしまっていると思うだけである。
とにかく、さっさと青梅丘陵をハイキングさせて、さっさと家に帰ろう。
どうせ書かせてもろくなことは書けないから、読書のほうを、させた方がいいだろう。
しかし本を読ませすぎると犬の目が悪くなってしまうから、そこも考えてやらなければいけない。
7時23分。
奥多摩行きの電車の中にいる。
もうまもなく電車は出発するだろう。
しかし犬のような莫迦でも小説家になれる道、なにかないだろうか。
犬は、何をテーマにして書けば、面白いことが書けるのだろう。
小生は、犬に何をしてやれるのだろう。
もっと犬に色んな経験をさせた方が良いだろうか。
人付き合いとかも、させた方が良いだろうか。
でも、どうやって?
そもそも、人付き合いは、一番金がかかる。
そして人付き合い中心の生活をすると、読書や書くことから遠ざかってしまう。
そして犬はまたズルズルと年齢を重ねてしまうだろう。
電車は動き出す。
8時11分。
ハイキングコース上にいる。
トイレの前で、一休み中。
虫が耳に纏わりついてくる。
8時49分。
ベンチで軽く、また一休み中。
もう、ほぼハイキングは終わりである。
ゴールは近い。
9時8分。
犬の散歩は終わった。
現在、電車の中である。
あとはエサの問題だ。
犬に何を食わせるか。
それに頭を悩ませている。
カツオのタタキ、納豆、キャベツ、人参、牛乳、長ネギ、玉ねぎ、おろしショウガ、あたりが、候補である。
犬の健康のため、もっと野菜を食わせた方が良い。
才能に乏しい犬である。
健康的に長生きさせて、たくさん勉強させて、少しずつでも良いものが書けるように、教育していかなければいけない。
11時58分。
家に帰って飯を食った犬は、眠気を催している。
今日は犬のために、部屋に掃除機をかけてあげた。
生ガツオ、納豆、キャベツ、人参、牛乳、玉ねぎ、おろしショウガを、スーパーで買ってあげた。
汗びっしょりになった犬に、水シャワーをかけてあげた。