夢
投稿日
2024/09/18
2024年9月18日。
水曜日。
9時47分。
倦怠の若い夫婦がいた。
二人は金欠で困っていた。
とぼとぼ歩いていた。
そんな二人は道で、老大家と出くわした。
昔は活躍していた老大家は、今では落ちぶれて、誰からも相手にされていなかった。
そして、すべてのやり甲斐を失っていた。
夫婦は老大家に近づいた。
そして夫が、話しかけた。
「先生、わっしのワイフを差し上げますから、三人で組んで、一儲けしましょうや」
ワイフもそれは、了承済みだった。
倦怠の夫婦は、とにかく金に困っていたのである。
女性と縁の無い人生を送っていた老大家にとって、それは悪い話ではなかった。
ワイフは老大家の目には、とても魅力的な女性に映っていた。
老大家と若い夫婦は組んで、三人組の大道芸人になった。
三人は一緒に知恵を絞り、協力し合って、世間を相手取り、お金を稼ぐため、頑張り始めた。
そんな夢を見て、中年男は目覚めた。
「いいなあ……」と、彼は呟いた。
彼は、その三人が羨ましかった。
上下関係なく、一丸となって、お金を稼ごうと頑張っている、その三人組の大道芸が、羨ましくて仕方がなかった。
彼は青梅駅の、奥多摩行きの、電車の中にいた。
ペットボトルのお茶を飲んでいた。
彼が金を稼ぐとき、その職場は、いつも殺伐としていた。
まるで魑魅魍魎が蠢いているような職場に思えた。
周りはみんな詐欺師のように見えた。
そんな中、懸命に、彼はお金を稼いでいた。
しかし、人間関係の苦労に耐えきれず、いつも長続きはしなかった。
彼はずっと社員で頑張っている人たちを尊敬していた。
仕事が長続きする人たちを尊敬していた。