野獣が野獣であるために 二
投稿日
2024/10/08
2024年10月8日。火曜日。星乃珈琲店。
「うまいコーヒーだったぜベイベー」
野獣は女性店員にそう声をかけて星乃珈琲店を後にした。野獣の飲んだモカブレンドは580円であった。プラス消費税を取られると思っていたらなんと税込で580円であった。
(まったく感じの良い店だったぜ。ふっふっふ)
野獣はニヒルに笑っていた。
野獣は傘を差し今度はブックオフに向かっていた。そこで漫画の立ち読みをしようというのである。
ブックオフで「修羅の刻」「武田信玄」「プロレス地獄変」などを軽く読んだ。すると野獣に「シチューが食いてえなあ」という欲望が生まれた。本当は酒を飲みたかったのだが健康のため酒は飲まないことにしていた。
野獣はブックオフを出てスーパーオザムに行った。そしてそこで豪快に鶏腿肉、人参、玉ねぎ、シメジ、シチュールウを購入した。
家に帰った野獣は早速シチューを作り始めた。
まず洗い忘れていたフライパンをステンレスタワシでごしごしと豪快に擦って洗った。洗うとタワシに肉片がこびりついたが野獣のように豪快にそれを無視した。
野獣たるもの細かいことは気にしない。
そして強姦魔が淑女の服を引き裂くような荒々しい手つきで鶏肉の包装ビニールを引き裂いた。そして肉を次々とフライパンに放り込んだ。
野獣は続けて荒々しく人参、玉ねぎ、シメジの包装ビニールも引き裂いた。
「ぐわっはっはっはっ!」
野獣は豪傑笑いをした。そして雷のようなスピードで野菜を次々と切ってフライパンに投下してフライパンに火をつけて蕎麦つゆを入れた。しばしフライパンで焼いた具を鍋に移し替え水を一リットルほど入れて沸騰させて弱火にして蓋をして三十分後にシチュールウを入れてよく混ぜてさらに五分ほど煮てそして世界一美味い鶏肉シチューが完成した。
野獣は出来たてのシチューを豪快に食い始めた。
「うめめめめめ、うめー!」
野獣は奇声をあげながらワイルドに食った。そして満腹した。
(完)