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デジタルノベルコンテストVol.1(3)
投稿日
2024/10/19
2024年10月19日。
土曜日。
無力、無気力、元気がない。
食欲も、無いわけではないが、旺盛ではない。
なるべく余計な金は使いたくないものだから、どうしても素麺ばかりを食ってしまう。
肉、不要説。
「デジタルノベルコンテストVol.1」、もう応募できる状態になっている。
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【デジタルノベルコンテストVol.1】
要項
締切:2024年10月25日(金)23:59
大賞:5万円+電子書籍出版
文字数:4,000字以上〜20,000字以内
主催:株式会社コルク
作品ジャンル不問。
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しかし、応募作品が面白いという自信はない。
今まで小説の賞に二十回以上応募して、全部駄目だった。
何度も何度も推敲して応募しても、まるで駄目だった。
すべて駄目だった。
だから流石に今回も駄目だろうと思ってしまう。
08時09分。
青梅駅に来ている。
奥多摩行きの電車に乗り込んだ。
今日もまた、古里駅のセブンイレブンに向かう流れ。
最近、珈琲は絶っている。
代わりにトマトジュースを飲んでいる。
応募作品を読むたびに、
「果たしてこれが面白いのか?」
と思ってしまう。
つまり自信が無い。
「自信が無いのに応募する意味あるか?」
これはちょうど、大学入試試験を受けたが、合格している自信は無いので、結果発表は見に行きたくない心理と似てるかもしれない。
「それでも受かってるかもしれないから、一応見てきたら?」
と、人は言うだろう。
締め切りは10月25日なので、まだそんなに急いで応募しなくてもいい。
また応募作品を読み直し、直せるところがあったら、直してもいい。
ブラッシュアップである。
しかし蛇足はいけない。
手を加えたことで、逆に悪くなってはいけない。
読み直すと、気になる点がたくさん見つかってしまい、何度も直してしまう。
しかしもともと面白くない内容の作品だったら、いくら直しても面白くはならない。
だからわざわざ推敲する価値なんか無いのかもしれない。
やはり一番良いのは、既存の名作を下敷きにして、それを自分流にアレンジしていくというやり方だろうか?
しかしそれではたんなるモノマネ、劣化コピー。
モノマネは本家には絶対に勝てない。
「劣化コピーなんか、書いてもしょうがないだろ?」
もともと今回の応募作は、他の賞で落選した作品を、また書き直したものである。
「そもそも、どこが面白いんだ?」
内容はくだらないし、工夫も少ない。
「あれのどこが面白いんだ?
面白くない作品に、かかずらわっているより、また新しい作品を作った方が良くはないか?」
新作を書くなら、短ければ短いほど良い。
面白くない作品を長々と書いてしまうのは、時間の無駄だから。
9時14分。
良いアイデアが降ってきた!
「高野聖」のパロディの、「高尾聖」。
「もうタイトルからして、抜群に面白そうじゃねえか。へっへっへ。じゃあまず、高野聖を、しっかり研究しねえとなあ」
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『高野聖』(こうやひじり)は、泉鏡花の短編小説。当時28歳だった鏡花が作家としての地歩を築いた作品で、幻想小説の名作でもある。高野山の旅僧が旅の途中で道連れとなった若者に、自分がかつて体験した不思議な怪奇譚を聞かせる物語。難儀な蛇と山蛭の山路を抜け、妖艶な美女の住む孤家にたどり着いた僧侶の体験した超現実的な幽玄世界が、鏡花独特の語彙豊かで視覚的な、体言止めを駆使したリズム感のある文体で綴られている。(ウィキペディアより)。
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13時34分。
青梅丘陵のハイキングを終え、我が家にいる。
応募作品を読み直すと、また直したいところがたくさん見つかり、直した。
まだまだ修正点は、いっぱいありそうだ。
今日はまだ、応募しない。
内容うんぬんではなく、もう、推敲スキルを見てもらいたい。
内容が面白くないのは、わかっている。
しかし文章だけは、なるべく、きちんと、読みやすい文章にして、推敲スキルだけでも、評価されたい。
応募フォームの「コメント、意気込みなど」には、以下のように書いて送るつもりである。
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賞の主催者――株式会社コルク様の、「物語の力で、一人一人の世界を変える」というミッションに、強く魅力を感じております。そして、「デジタル上で小説の可能性を広げていく」という理念にも、強く共感しております。
御社に所属している平野啓一郎先生も、とても好きな小説家の一人です。
御社のCEOの佐渡島庸平様も、ユーチューブの【Nontitle】などで拝見して、とても魅力的な社長様であると感じました。
ぜひ御社の魅力的なミッションや理念に参加して、デジタル時代の小説の未来を共に創造していきたいと希望し、賞に応募させて頂きました。
ご選考、どうぞお願い致します。
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そう、要するに、株式会社コルクという会社と関わりたいのである。
文章だけでも評価されれば、たとえばゴーストライターの仕事とか、もしかしたら、依頼してもらえるかもしれない。
そこを狙うのも、良いかもしれない。