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デジタルノベルコンテストVol.1(4)
投稿日
2024/10/20
2024年10月20日。日曜日。8時16分。青梅駅のホーム。温かいほうじ茶を飲んでいる。ご利益というものは神社だけでなく、生きている人間にもあるのだと云うことに、今さらながら気づいてしまった。株式会社コルクのCEO佐渡島庸平大権現こそは、まさにそういう生き神様である。
佐渡島権現は、2002年講談社入社。週刊モーニング編集部にて『ドラゴン桜』(三田紀房)『働きマン』(安野モヨコ)『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年講談社退社後クリエイターのエージェント会社コルクを創業。
この大権現の情報を見て、縁起担ぎという意味を込めて、『ドラゴン桜』『働きマン』『宇宙兄弟』を軽く読みたいと思い、昨日近所のブックオフに行ったが、残念ながら読みたかった第一巻は置いていなかった。しかし守護霊に導かれるままそこで諦めず、今度は近所の本田書店に行ったのである。するとすべての第一巻が置かれていて、それらはすべて300円であった。それを三冊お守り代わりに購入したのである。そして早速『働きマン』の第一巻を読み終えた。それは信じられないくらいに面白かった。これほどの作品を読ませてくれた大権現様のお導きに感謝。

8時48分。青梅駅のホーム。温かい玄米茶を飲んでいる。顎関節症のような症状を患っている。これはどうやら歯を全部抜いてしまわなければ治らないものらしい。食いしばりが原因である。しかしそれを試してみるのはあまりにもリスキー。すべての歯を失ってもこの症状が治らなければ、目も当てられない。しかし昨日、泉鏡花の「高野聖」を青空文庫で熟読してしまったものだから、どうやら泉鏡花の文章がこの文章に乗り移っているように感じられる。これは「我」という媒体を通して泉鏡花その人が書いているようなものだ。これぞまさにシャーマン術。良い文章を書くために文豪の霊を己に乗り移らせるという離れ技。禁断の秘術。
09時01分。電車の中。流石に日曜日なので乗客は多く、すべての席は埋まっている。しかし席が空き、座る事ができた。しかしこの顎関節症のような症状は、本当に食いしばりが原因なのか?

「デジタルノベルコンテストVol.1」の応募の締め切りは刻一刻と迫っている。応募作品はとっくの昔に出来上がっているが、残念ながらそれは客観的に見た場合、ひとかけらも面白くない、愚作中の愚作である。よくここまで面白くないものを書けたものだ。誰がどれほど適当に書いても、それよりは遥かに面白く書けるだろう。そんな愚作を何度も推敲しているというのだから、まさに無駄骨。空回り。それほど面白くない作品を、一体なぜ応募しなければいけないのか? 応募しなければ、「もしかして、面白いかも?」という勘違いが、永久に心に残ってしまうからである。リングに上がらないボクサーが「もしかして俺、世界チャンピオンに勝てるかも」と勘違いしてしまうようなものだ。リングでぶちのめされないと分からないことがある。すべての作品は頭の中にあるうちは最高傑作だが、それを形にした途端、超絶愚作に変げする。

9時49分。古里駅。電車の中。肉まん三個摂取済み。温かい濃い茶を飲んでいる。あんな作品が電子書籍にして貰える訳がない。あんなものは読む価値がない。あまりにもポンコツ。読み返すたびにそう感じられる。それでもここまで来ると、もう応募しないわけにはいかない。恥だ。恥以外の何物でもない。もうすぐ五十一だというのにあんなポンコツしか作れないとは、馬鹿丸出し。赤っ恥。地頭が悪い。学もセンスも皆無。勘違いも甚だしい。よくぞこんな馬鹿中の馬鹿が出来上がったものだ。馬鹿世界選手権があれば金メダルを狙える。馬鹿世界チャンピオンに君臨できる。きっとIQが圧倒的に低いのだろう。あれの何が面白いんだ? そもそも他の賞で落選した作品である。それを書き直し、また応募するとかアホなのか? 脳みそ味噌なのか? それでも推敲するだろう。それで直す箇所が一箇所も無ければ、今日応募することになるが、百%間違いなく、直すところはある。そして応募は明日以降に持ち越される。推敲は新しい気持ちで行う必要があるため、一日一回である。一日一回最初から最後まで読み、直すべきところを直す。直したら、翌日にまた読み返す。そして直すところが一箇所も無ければそのまま応募だが、そうは問屋が卸さない。間違いなく締め切り最終日10月25日まで持ち越される。最後の推敲は24日になるだろう。25日はもう粛々と応募するだけである。推敲はキリがないのだ。それは長々と続く。応募後も推敲することになるだろう。応募後も推敲するくらいでないと、それは真剣な作品とはいえない。直す箇所が一箇所もなくなるまで推敲し続けなければいけない。
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