ヘビ三回
投稿日
2024/10/25
二千二十四年年十月二十四日。木曜日。今日、青梅丘陵をハイキングしていると、ヘビが三回も出てきた。それがちょっと気になっている。一時間くらいのハイキングの間で、ヘビが三回も出てくるって、おかしくないか? 最初のヘビはけっこう大きかった。三回目のヘビは小さかった。二回目のヘビのサイズはその真ん中くらい。でも二回目のヘビのことは、覚えていない。ただ一回目と三回目のヘビのことは、よく覚えている。一回目のヘビが出てきた時、びっくりした。そして三回目のヘビは小さかったので、巨大なミミズかとも、一瞬思った。しかしそれはシマシマ模様の小さなヘビであった。二回目のヘビのことは覚えていない。しかしヘビを三回見たことだけは、はっきりと覚えている。たまたまこの日が、ヘビが活発に動く日だったのだろうか。ヘビを見かけることは珍しいことではないが、普通見かけるのは一日一回だけである。一日三回も見かけるのは、かなり珍しい。それは何かの予兆だろうか。あるいは、たまたまか。明日また青梅丘陵を歩いたら、やはり一回くらいはヘビを見かけるだろうか? 一日に三回もヘビを見かけるのは、やっぱりおかしくはないか……。
話は全然変わるが、以前、御前山に登った時、同じ年配の男性と、十回くらい顔を合わせた。登っていて、追い抜かれて、山頂でその男性が休んでいて、私が先に山頂から出発して、またその男性が追い抜いて、そして避難小屋のトイレに行くと、またその男性がいた。これ以上その男性と顔を合わせたくないと思って、私は長い休憩をしてから下山したが、するとなぜか、その男性がUターンして戻ってきたので、ギョッとした。そしてまた追い抜かれた。それからは男性は、どんどん先に進んで行った。しかし、またバス停で会いそうだった。スマホでバスの時刻表を調べてみると、案の定、バスはしばらく来ないので、間違いなくバス停でも、その男性に会いそうだった。なにか奇妙な縁を感じていた。まるでストーキングでもされているような、薄気味の悪さも感じていた。これから先も、何度も会いそうだった。例えばバスで奥多摩駅まで移動して、トイレに行ったら、またそこでも会いそうだった。電車の中でも会いそうだった。もしかしたら家まで付いてくるのではないか、などと、空恐ろしくなった。どこまでも付いてきて、永久に顔を合わせ続けるのではないかという、空恐ろしい流れを感じた。その流れを断ち切るべく、私は下山後、バス停には立ち寄らず、奥多摩駅まで歩いた。男性はバスに乗ったはずである。そして電車で帰ったはずである。あるいは奥多摩駅周辺で食事でもしていて、また奥多摩駅で会ってしまうのか? 歩いて奥多摩駅に到着した私は、また男性に会ってしまうのではないかと思い、冷や冷やしていた。しかし幸い、男性の姿は無かった。無事、その奇妙な縁を断ち切ることが出来た。あれもまた、実に不思議な話だった。もし私がか弱い女性なら、あんな風に山奥で、何度も同じ年配男性と顔を合わせることになったら、さぞかし怖かったに違いない。下山後にバス停で会った時に、「いやあ、よく会いますねえ、がはは」と、豪傑笑いをしてみても良かったのだが……。