過酷な毎日
投稿日
2024/11/05
二〇二四年十一月三日。日曜日。青梅駅のホーム。黒い夫婦が食料を探している。別行動であるが、お互いの姿を見失わない距離だけは保っている。(万が一見失っても声をかけ合う)。探し回っている。食べられそうなものがあればどんどん口に入れる。贅沢は言えない。なんでも食べる。そのようにして生命を保つ。食料の貯蓄はしない。今日食べるものは、今日探して食べる。満腹するまで食べられない日も多い。常に食べ物を探し続けている。警戒心も怠れない。この肉体を食料として狙ってくる恐ろしい者がいる。死と隣り合わせの生活。今日一日を生き抜けるかどうか。毎日が命懸けの真剣勝負。生き続けることだけが勝利。夜になると安全な場所で眠る。(しかしそこで襲われてしまうこともある)。朝になるとまた食料を探す。その繰り返し。食べることと生命を守ること。それだけがすべて。考えたりはしない。ただ生きている。目の前の問題だけに取り組んでいる。未来も過去もない。今だけを生きている。
そんなカラスのつがいをじっと見ている。雲一つない良い天気。空は青い。まるで空が海のようだ。一体なぜこんなに青いのだろう? カラスの過酷な世界。それに比べこの自分の世界は、ひどく恵まれているようで、余計なものに満ち溢れているようにも思う。