2024年12月27日
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2024/12/27
2024年12月27日。金曜日。8時11分。東京行きの電車に乗っている。立川裁判所に向かっている。裁判所の今年の営業は今日が最終日。2025年1月1日は「NPO法人自立支援センターふるさとの会」の炊き出しボランティアに行ってくる。東京のホームレス支援団体を軽く調べてみて今のところ東京のホームレス支援団体はふるさとの会が一番しっかりしているように感じられた。役所が営業していない年末年始――12月29日から1月3日まで毎年隅田川河川敷で炊き出しをしているらしい。そのボランティアの受付が本日の17時までであったので1月1日だけ申し込んだ。12月29日30日31日はもう埋まっており1月1日2日3日はまだ募集していた。炊き出しボランティアの待ち合わせ場所は三ノ輪駅から徒歩12分の「NPO法⼈ふるさとの会本部」という場所。当日9時までにそこに行かなければいけない。交通費は片道900円以上かかってしまう。節約生活中の現在一日だけしか参加する気になれない。本当は参加せずにとりあえず炊き出しの様子だけ見て来ようかと思ったが炊き出し場所は「隅田川河川敷」としか書いていないのではっきりした場所が分からない。だから仕方なく一日だけ参加してみることにした。
9時17分。立川裁判所四階。今日は裁判が一つも無いかもしれない。民事裁判も刑事裁判も裁判予定の紙が一つも貼られていない。これから貼られるのかもしれない。大抵最初の裁判は10時から始まる。だから10時まで待ってみて何も貼られないようなら引き上げよう。その後は軽くブックオフにでも寄って立ち読みしようか。四階が民事裁判三階が刑事裁判という認識だがもしかして他の階でも裁判してるのだろうか。まあとにかく10時まで待っても四階に紙が一つも貼られないようならもう今日は裁判が無いと見なし引き上げることにしよう。四階や三階をウロウロしている私はまるっきり不審者である。裁判所なので監視カメラなんかも有るだろう。私の不審な行動はすべて監視されているだろう。職員から「今日は裁判ないですよ」とか「ここで何をしてるんですか」とか尋ねられてしまうかもしれない。まるで映画でも観るような感覚で無料の娯楽を鑑賞するような感覚で裁判の傍聴を続けている私はいつかこっぴどく怒られてしまうのではないか。今日は立川裁判所の今年最後の営業日のようなので一日中スタートからエンドまで裁判の傍聴を楽しんでやろうと思い空腹対策として大きなパンも持ってきているのだが。裁判が無いならこれからどうしようか。酒は飲まない方が良いだろう。元旦は炊き出しボランティアに参加する。それに備えておかないと。ふるさとの会のホームページを一度熟読してみようかと思っている。そしてふるさとの会は【「生きづらさ」を支える本】というタイトルの本も出しているのでそれも購入してみようかと思っている。
9時31分。まだ裁判予定の紙を貼り出す気配は無い。こんなに早く来たのは初めてだからこれから今日の分の紙が貼り出されるのではないかと思っているのだがどうだろう。やっぱり今日は裁判は一つも無いのだろうか。だったらなぜ営業してるのか。しかしあれだな年末だしジャックダニエルとか飲もうかな。まあ気が向いたら飲もう。メシはなに食おう。素麺と玉子焼きあたりにしておくか。
9時44分。9時50分になったらトイレに行って小便をしてそれでもまだ紙が貼られていないようだったらもう帰るか。あるいはせっかくなのでしっかり10時まで待とうか。たぶん今日は裁判は無いだろう。これから紙が貼られるとはあまり考えにくい。ユーチューブでも観て10時までの時間を潰そうか。来年は立川裁判所は何日から営業するのだろう。1月6日からだろうか。もしその日から営業していたとしてもその日はまた裁判は一つも無いかもしれない。なんか10時近くになってバタバタと慌ただしいような空気が発生しているが紙が貼られているような気配はない。すでに9時50分になっている。家では白湯を飲みパンを食べその後焙じ茶とコーヒーを飲み一度セブンイレブンで大小ともに排泄は済ませたがまた小便がしたくなっている。9時55分になったらトイレに行って小便を済ませて手を洗って手を拭ってそしてそれでもまだ紙が貼られていないようだったらすごすごと引き上げることにしよう。床掃除の人が行き来している。「なんだこいつ」とか思われているのではないか。恥ずかしくて顔を上げることが出来ない。裁判が無いなら無いでさっさと引き上げたいところである。さあ9時55分になった。トイレに行こう。
10時58分。立川駅のホームで電車を待っている。裁判はやっぱり無かった。本屋で3740円もする「判例六法」という本を買ってきた。だから今日はもうこれ以上一円も使う気にはなれない。しかし後でまた自動販売機でお茶を買うかもしれない。しかし少なくともこれから家に帰るまではもう一円も使う気にはなれない。家に帰ってひとまずインスタントラーメンを二袋食べようかと思っている。それから何をするかまだ決めていない。
11時6分。青梅行きの電車の中。手すりを掴みドアの前に立っている。