登山サークル アウトドアチャイルド

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第六回 高尾山(大洞山コース) 二〇一七年七月十七日(月)
投稿日
2025/01/21
 七月十七日の登山は女性十人、男性六人での登山になった。
 男性の数が少ないので、班分けには悩んだ。そして結局、A班、B班、C班、D班の、男女混合の四つの班に分けて進めさせて貰った。
 一班は三〜四人である。最初はA班とC班、B班とD班で行動し、しばらく歩いたあとは班の組み合わせを変更し、A班とD班、B班とC班、といったような形にさせて貰った。これで二回、班の組み合わせを変更すると、全員と、とりあえず話す機会がある。
 しかし一班が四人くらいなので、B班とD班で歩く場合は、八人で歩くことになり、ちょっと人数が多すぎるように思った。本当は二〜三人で一班という形のほうが、ちょうどよいのではないかと思った。
 今回は登山をはじめる前に、軽く自己紹介をするという形にさせて貰った。私自身は自己紹介が、わりと苦手なほうなので、今までは自己紹介はしていなかった。しかし、はじめて会った人同士でいきなり班分けされて、一緒に歩き始めても、打ち解けるまでには、けっこう時間がかかる。その時間を大幅に短縮したいと思い、最初に自己紹介をする、という形にさせて貰った。
 とりあえず簡単な自己紹介ということで、「とりあえず名前だけでも」という形で、自己紹介をすることになった。十六人みんなで輪になって、一人ずつ名前を言っていく、という形になった。
 名前を言う以上の自己紹介をする人は、一人もいなかった。長々と自己紹介をする人がいたほうが良いのだが、みんな名前を言うだけの簡単な自己紹介になってしまった。とりあえず私がお手本のように、最初に、詳細な自己紹介をしたほうが良かったのかもしれない。名前、職業、年齢、住んでるところ、登山歴、趣味、血液型、などなど。
 しかしあまり詳細に自己紹介してしまうと、あとの人がプレッシャーになってしまうに違いない。そこらへんの匙加減が、難しいところである。
 サルが出る可能性があるコースだったのだが、残念ながら、サルは出てこなかった。今回は高尾山の登山ということになっていたが、非常に長い距離を歩くことになった。前半で女性が一人、足を痛めてしまい、離脱してしまった。
 今回は、トイレ問題が出てきた。高尾山口駅を出発して、梅ノ木平〜西山峠〜中沢峠〜大洞山〜大垂水峠〜一丁平という経路を進んだが、一丁平までは、トイレが無い。出発して四時間半くらい、トイレがないというコースだった。そのため小便が出来ないので、水をがぶ飲みするわけにはいかないという状況だった。
 本当に登山では、トイレ問題は悩みのタネである。奥多摩の人気の山、川苔山も、トイレがない。登って下って六時間以上、トイレがない道のりが続く。今度川苔山に行く予定の方が、「おしめをして行こうかと思っている」と、本気か冗談かわからないような事を言っていた。
 トイレが無い場合は仕方がないので、どこかの草むらなどで適当に済ませてしまうか、あとは携帯用のトイレなんかもあるらしい。草むらで適当に済ませる形が良いのではないかと思う。
 今回の登山ではとても素敵な女性――D子から、「好みの女性が参加したらどうするんですか?」と質問された。それは、とても難しい質問だった。
 今まで私は婚活イベントに二十回以上参加してきた。そして素敵な女性にアタックしまくり、ことごとくフラれている。フラれてしまった場合、例えば相手からラインをブロックされてしまったり、「もう連絡しないでもらえますか?」と言われてしまったりする。そのようになってしまうと、飲み会にもイベントにも、その女性は誘えなくなる。
 例えば素敵な女性百人にアタックして、もしかりに一人のアタックに成功したとしても、九十九人が失敗した場合、九十九人の素敵な女性は、もうイベントには誘えないということになる。しかしまったくアタックしなければ、その中の十人くらいは、イベント参加のリピートをして貰える可能性がある。そういった確率を考えると、好みの女性が参加した場合、アタックをしないというのが、正しい選択に思えてくる。
 実際に過去にとても気に入った女性がいて、アタックしまくり、サシで食事ができそうな感じだったのだが、結局、「もう連絡しないでもらえますか?」と言われてしまった。そしてもう二度とその女性を誘うことはできなくなった。しかしその女性は最初は、「またイベントするときは誘ってくださいね」と言っていたのだ。これはイベントを盛り上げるための、非常に強力な戦力を失ってしまったことを意味する。とにかくその人は、とても美人であった。
 また同じ過ちを繰り返してはいけない。素敵な女性がいた場合、自分がアタックすることは絶対にNGで、一度でも多くイベントに参加して貰う、それがイベントを主催するものの義務、務めである。男性参加者から素敵な女性と知り合う機会を奪ってはいけない。それを守れないなら、当サークルは衰退の一途という運命から逃れることはできないだろう。素敵な女性、素敵な男性に、たくさん来てもらう。それが重要である。
(しかし実際は、今までの話は、全部ウソである。私は、自分の恋人を作る目的で、登山サークルをやっている。だから、今までの話は、「本音と建前」で言うところの、「建前」の、綺麗事である。たくさんの女性と知り合って、その中の素敵な女性にアタックして、恋人になってもらいたい。それが私の本音である。「好みの女性が参加したらどうするんですか?」という、D子の質問。それに対する本当の答えは、「そんな女性がもし参加したら、あわよくば恋人になってもらいたいので、メンバーに知られないように、こっそりアタックします」。これが本音である)。
 今回の高尾山の大洞山コースは、高尾山の登山とは言えないくらいの、長い距離の登山になった。登山上級者の人いわく、「この距離を経験できたら、奥多摩の鷹ノ巣山だって登れますよ。雲取山はもっと大変ですが」というようなことを言っていた。
 その登山上級者の人は、北アルプスでのテント泊や、ロッククライミングなどをされているらしい。後日、一週間ずっと、北アルプスでテント泊をしながら歩きまわると言っていた。
 その人くらいのレベルの登山上級者たちは、マラソンをしている人が多い。その人もマラソンの大会に、よく出ているようだ。とてもスリムな体型で、年齢はおそらく四十代だと思うのだが、とても若々しい人だった。
 なんでもその上級者にとっても登るのが難しい北アルプスの山の山頂で、なんと、八十代の老人二人組と知り合ったそうである。上級者向けの危険な山に、八十代の老人が登っている。そういう人は、いったい何歳まで生きるのだろう。そういう人は、一生健康、生涯現役、介護不要かもしれない。老後は誰もが不安である。しかし、そういう人たちを目標にして登山を頑張れば、生涯現役、介護不要の人生を送ることができるかもしれない。
 しかし、今回は高尾山の登山ということで、みんな、軽い登山と予想していたようだが、結局、休憩時間も含め、七時間くらいの登山となり、最後のほうは、みんな、とても疲れているようだった。
 日本一性格の良い女性であるHM子も、このイベントに参加していた。昔バトミントンをやっていて、体力がありそうなHM子も、さすがに疲れたらしく、たくさん汗をかき、真っ赤な顔をしていた。
 私は、素敵なD子とのお喋りに夢中になってしまっていたため、HM子や他の女性たちとは、ほとんど話をしなかった。その点は、サークル登山の主催者として、大失格である。(後日、私はD子をデートに誘ったが、あっさりとフラれた)。
 班の移動は、本当は二回する予定だった。しかし、みんなの疲労がとても大きかったので、二回目の班の移動は、結局中止にした。あとは班は気にせず、適当に歩くという形になった。
 途中、一丁平や、もみじ台で休憩しながら、ようやく高尾山の山頂に到着した。そこからは一号路で下山して、ケーブルカー乗り場のところで、今回のイベントは一旦、終了となった。
 その後は、気が向いた人だけで、高尾山のビアガーデンに行くことになった。ビアガーデンは女性四人、男性五人で、一緒に飲んだ。
 結婚や婚活に関する話、卓球や登山の話などをしながら、楽しくビールを飲んだ。偶然にも卓球の経験者がとても多かった。「今度みんなで卓球しませんか」という話も出た。
 今回のイベントは男性が少なかったので、男性と女性の混合チームで、班を作った。男性と女性の交流だけでなく、同性の友だち作りにも役立つような交流が、けっこう出来たのではないかと言う手ごたえを感じた。しかしできれば、女性と男性の参加者は、同じくらいの数になるのが理想である。
 まだまだ至らない点が多々あるような気がしているが、次回も充実した交流ができる、楽しいサークル登山ができれば良いなと思う。

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