登山サークル アウトドアチャイルド

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第一一回サークル登山 九
投稿日
2025/02/17
 途中、茶屋で休憩した。その茶屋の壁に、塔ノ岳に二千回登った女性の新聞記事が貼られていた。年間百回のペースで登り続けている、七十五歳の女性である。
 その女性が、まさにそのとき、茶屋にいた!
 新聞記事を熟読していた私に、茶屋のおばさんが声をかけてくれた。
「二千回の人、この人なんですよ」
「え? そうなんですね!」
 本人と出くわすことができて、ラッキーである。
 話を聞いてみると、二千回達成はもう数年前のことらしく、その後も週に三回ペースで、塔ノ岳に登り続けているそうだ。だから今はすでに二千回以上登っている。
 その女性は茶屋の中で、しばらく休んでいるようだった。きっと茶屋の人と親しいのだろう。
 その新聞記事によると、なんでも塔ノ岳に五千回登った男性もいるらしい。ただその男性は、趣味で登っているのではなく、山頂にジュースなどを担いで運ぶ、仕事として、一日に三回くらい、塔ノ岳に登っているらしい。
 同じくジュースを担いで塔ノ岳を登っている人がいた。普段はサラリーマンをされている人のようだ。最初、その人が五千回登った人なのかと思って聞いてみたが、その人ではなかった。
 五千回の人は、この日も塔ノ岳に登っている筈なので、「途中で出くわすと思いますよ」と、茶屋の人が言っていた。しかし顔が分からないので、出くわしても、その人だと気付けないだろう。ここまで通り過ぎた人たちの中に、既にその人がいたのかもしれない。
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