話が随分先に進んでしまった。もとに戻す。
　登山初心者のＧ子は、半分くらい登ってる段階で、「最後まで登るのはムリそう」だと思っていたそうだ。で、実際に後半は足が上がらなくなったとのことで、登頂断念すれすれの状態だった。
　山頂の手前の花立山荘に到着したとき、Ｇ子はかなり疲れたようで、「ここからはみなさんだけで登って、そして戻ってきてください。私はムリそうなので、ここでうどんでも食べて待ってます」と、言った。しかし、山頂まで、もう歩いて四十分くらいの距離だし、なんとか説得して、山頂まで頑張って貰う事になった。
　それからの道のり、花立山荘で食べたカキ氷が効いたのかもしれない。Ｇ子は順調なペースで進んだ。結局、二回程度立ち止まっただけで、無事に山頂に到着した。
　塔ノ岳の景色。Ｇ子やＦ子は、塔ノ岳は始めてとの事だった。そして塔ノ岳の景色の良さに、感激しているようだった。
　確かに晴れた日の塔ノ岳では、とても素晴らしい景色が見れた。塔ノ岳の人気の理由は、なんといっても、その素晴らしい景色だろう。
　渋沢駅に九時に待ち合わせして、大倉バス停に到着したのは九時三十分くらいだった。そして山頂に到着したのは、十四時二十分くらいで、そこから三十分だけ休憩して、十四時五十分くらいから下山開始した。
　Ｇ子は、下山は全く平気らしく、たった一度休憩しただけで、あとはノーストップで、下のバス停までおりた。
　バス停に到着した時の時刻は、十八時くらいだった。